出版社内容情報
硝子の棺に納められた、美しい少女の遺体。
彼女――エリスは決して腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない。
棺は、黒装束の男に運ばれ、エリスは時代も国も超えてその姿を見せる。
あるときは孤独な墓守の青年の前に。
またあるときは友人の美貌に複雑な思いを抱く少女の前に。
ある成金貴族の息子は、エリスのための“秘密の集い"にのめり込んでしまう。
彼らはなぜ、エリスに惹かれてしまうのか。
その先に、自身の破滅が待ち受けているとも知らずに――。
「エリス、ほらご覧。また君のために人が死んだ」
2021年集英社ノベル大賞準大賞受賞作、文庫化!
内容説明
硝子の棺に横たわる死せる美少女エリス。彼女は決して腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない。棺は、黒装束の男に運ばれ、国も時代も超え、エリスはその姿を見せる。ある時は親を知らない墓守の青年の前に。またある時は友人の美貌に複雑な思いを抱く少女の前に…。彼らはなぜ、エリスに惹かれてしまうのか。その先に、破滅が待ち受けているとも知らずに。2021年ノベル大賞準大賞受賞作!
著者等紹介
柳井はづき[ヤナイハズキ]
兵庫県(日本海側)出身。『花は愛しき死者たちのために』で2021年集英社ノベル大賞準大賞受賞。受賞作を改稿、加筆した本作で文庫デビュー。理系の皮を被ったド文系。怖がりのくせに怪談好き(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
41
魅入られた人を破滅させていく腐敗しない死体のエリスー。謎が明かされるような続編があると良いなぁ。2022/11/15
よっち
36
黒装束の男に運ばれ、時代も国も超えて姿を見せる硝子の棺に納められた美しい少女エリスの遺体。彼女の姿を見てその人生を狂わせてしまう男たちの物語。腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない棺の中のエリス。彼女を目の当たりにして執着するようになってゆく孤独な墓守の青年、友人の美貌に複雑な思いを抱く少女、そしてエリスのための秘密の集いにのめり込んでしまう成金貴族の息子たちの破滅。試すように彼らに引き合わせるカロンもまた謎めいていましたが、何よりも目にした人を破滅に導いてしまうエリスの異質さが際立っていました。2022/08/26
おかだ
27
『花は愛しき死者たちのために 罪人たちのメルヘン』という続編から読んでしまったので、補完の為に手に取る。あ〜〜やっべーこれはシリーズ順に読むべきやったわ〜。カロンが何者か知った上で楽しめるかと思ったけど、この作品の中で徐々に明かされる謎にワクワクできないし知らない方が良かったなと。でも物語自体は続刊よりもダークでディープで救いがない感じで、ダークメルヘンの世界にしっかり酔える作品。面白いので更なる続編も希望。2023/05/01
悠
26
ちょっと、不思議で怖くて切ないお話。2022/10/01
栗山いなり
15
硝子の棺に横たわる腐敗しない死体・エリスに狂わされていく人々を描いた物語。エリスに囚われ、狂気に染まった挙句悲惨な末路を辿っていく人々を描いたこの物語は一種のホラーだった。結構すさまじい物語を読んだ気がした2022/08/07
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