出版社内容情報
不眠気味で悩む大学生の結月。ある日、平日の夜中だけOPENする不思議な喫茶店を見つける。店主は、「眠りを盗んでいく猫」の噂を集めている風変わりな青年。結月はこの店に通うようになるが…?
内容説明
もう何年も、不眠で悩んでいる大学生の結月。ある春の日、住んでいるマンションの二階に、平日の夜中だけOPENする不思議な喫茶店があるのを見つける。店主は、「眠りを盗んでいく猫」の噂を集めている風変わりな青年、榊真臣。店は、眠れない長い夜を過ごす人のために開けているのだという。結月は、居心地がよく、珈琲の美味しいこの店に通うようになるが…?
著者等紹介
彩本和希[アヤモトカズキ]
千葉県出身。2007年度ノベル大賞読者大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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もも
56
初読み作家さん。不眠で悩んでいる大学生の結月。住んでいるマンションには平日の夜中しか営業してない不思議な喫茶店があった。その店の店主は「眠りを盗んでいく猫」の噂を集めていてーー。静かで優しい物語でした。眠りが浅い傾向にあるため、不眠に悩む結月に共感してしまいました。不眠にも色々な原因があるんだなあと参考になったり。眠れない時間をむしろ楽しむ時間に、というのは目から鱗でした。穏やかな交流を通して結月と店主・榊さんの距離が近づいていくのが良かった。結月は榊さんの救いになっていると思う。続編があれば読みたいな。2016/10/10
佐島楓
53
不穏な題名ですが、内容はそれほどのこともなくとても面白かったです。平日の深夜限定で営業する喫茶店という設定と、不眠のつらさを楽しんでしまおうというポジティブさ、夜という魔性の時間、さらなる謎と、盛りだくさんで気に入りました。2016/07/11
ダージリン
41
私は7時間睡眠がベストな人なので、短時間睡眠で大丈夫な人は少し羨ましい時もあります(笑)。でもこの本の眠れない結月と榊は、理由あってのことなので単純に羨ましがってはいけないのですが、ふたりが過ごす長い夜の時間が魅力的です。眠れない人達のための喫茶店とか、ハイテンションな夜の散歩とかいいなあと思いました~。2016/05/07
よっち
40
不眠で悩んでいる大学生の結月が、住んでいるマンションにある平日の夜中だけOPENする不思議な喫茶店に通うようになる物語。ふとしたきっかけで風変わりな店主・榊真臣と出会い、眠れない長い夜を過ごす人たちが集う喫茶店の常連になってしまった結月。そんな二人が関わった人たちの悩みを解決するために奔走するストーリーは、結月自身や榊もまた長らく抱えていた悩みへ踏み込んでゆくことにも繋がっていて、その過程でお互いの理解を深めていった二人の距離感が少しずつ、ゆっくりと変わってゆくその繊細な描写がとても良かったと思いました。2016/05/04
ネムコ
37
出会った人間の眠りを盗む、青い目の黒猫「どろぼう猫」。そんな都市伝説のような噂話を集めている喫茶店セレナーデは、不眠症に悩む人が楽しく夜を過ごせるよう、深夜にだけひっそりと営業していた。店のマスター・榊と知り合いになった大学生・結月も不眠症に悩んでいたこともあってセレナーデの常連となるのだった――。ライトノベルではあるけれど、思ったほど軽くも荒唐無稽でもなかった。人と人のつながりの物語。後悔や罪悪感で固く閉ざされていた心が解き放たれる瞬間は、日常の小さなことをきっかけに訪れるのかもしれない。2016/05/24
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