ダッシュエックス文庫 小柳さんと。

反響体Ｘ【著】

集英社（2024/12発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 280p／高さ 15cm
• 商品コード 9784086315821
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

社内恋愛で3年付き合った年上の彼女に素気なくフラれ、傷心独り身となった幸大。
愚痴に付き合ってくれる同僚にも見放され、ふらふらと入ったのは行ったこともないバーだった。
「辛気臭い顔してからに。なぁ、うちと一緒に飲もうや」
そんな幸大に声を掛けてきたのは長身の自分より遥かに小さくて、元気いっぱいな小柳さんで……。
聞けば彼女は浮気された挙げ句、フラれたのだと言う。
フラれんぼ同士、すっかり意気投合した2人は一夜の関係を持つが――。

内容説明

社内恋愛で３年付き合った年上の彼女に素っ気なくフラれ、傷心独り身となった幸大。愚痴に付き合ってくれる同僚にも見放され、ふらふらと入ったのは行ったこともないバーだった。「辛気臭い顔してからに。なぁ、うちと一緒に飲もうや」そんな幸大に声をかけてきたのは長身の自分より遙かに小さくて、元気いっぱいな小柳さんで…。聞けば彼女は彼氏に浮気された挙句、フラれたのだという。フラれんぼ同士、すっかり意気投合した二人は一夜の関係を持つ。その場限りかと思っていた幸大だったが…その日から、徐々にお互いを知るようになっていき―。ワンナイトラブから始まった二人のピュアラブストーリー。第１回オトナの小説大賞（銀賞）受賞作！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[芳樹]

フラれ男の大木くんとフラれ女の小柳さんの”ワンナイト・ラブ”から始まる大人のラブストーリー。酒を飲んでは身体を重ねるという描写が多くありますが、猥雑感はあまり感じられません。身体だけでなく少しずつ心も重ねていき…という展開の、純愛小説として非常に完成度が高いと思いました。途中で二人が直面する困難は”ありがち”と言えるかもしれませんが、それをありきたりの陳腐なものにせず、カタルシスへ繋げていく作者の技巧の妙に唸りました。とても優しい物語で、今年最後の読了本としてこの作品に出会えたことを嬉しく思います。傑作。

2024/12/31

[よっち]

社内恋愛で3年付き合った年上の彼女に素っ気なくフラれ、傷心独り身となった幸大。行ったこともないバーで長身の自分より遥かに小さくて、元気いっぱいな小柳さんと出会う社会人ラブコメ。聞けば彼氏に浮気された挙句、フラれたのだという小柳さん。振られたもの同士すっかり意気投合して、うっかり一夜の関係を持って始まった関係が思いの外居心地が良くて、だからこそ突然の急展開とそれでも諦めない幸大の頑張りが光りましたけど、意外な繋がりも明らかになる中でしっかりと寄り添い、一緒に乗り越えてみせた2人の結末がなかなか良かったです。

2024/12/24

[わたー]

★★★★★面白かった。オトナの小説大賞を受賞するのも納得のえっちさであったが、この作品の本質はそこではなくて寧ろ、二人の純粋な愛にこそあったと思う。不覚にも泣いてしまった。恋人にこっぴどくフラれ酒に逃げていた主人公がとあるバーに入ると、バーのマスターに絡み酒をする関西弁の女性と出会う。彼女は恋人に浮気をされたらしく、フラれた者同士で意気投合。そのまま一夜を共にする。傷心と酒の勢いとはいえ自己嫌悪に陥る主人公だったが、行きずりなだけであった彼女は何故か彼の分まで朝食を作ろうとしていて…と始まるラブコメ。

2024/12/25

[和尚]

面白かったです、確かに大人の部分はかなり描写含めてあるんですけど、後半は特に感動する(もはやその部分すら)純愛物語でした。 合う合わないあるよなとはまた少し違った、お勧めしにくいけどお勧めという初めての感覚の物語。 そして締めの一文、めちゃくちゃ好きでした。

2025/01/15

[真白優樹]

三年付き合った年上彼女にフラれた青年が、偶々立ち寄ったバーで同じ痛みを抱えた女性に出会い始まる物語。―――一夜の重なり、繋がり生むのは永遠の未来。　一夜の過ちが何となく離れがたい関係となり、いつしか愛となって未来へ進む原動力になっていく。ただエロいだけではなく、未来へ進む思い溢れる純愛が見所である物語であり、大人だからこその色気ある甘さが堪らない物語である。これからもきっと大変かもしれない、未確定な未来。だけどこれからも二人で歩いていく、ならば心配は何処にもない筈だ。 うん、とても面白かった。

2024/12/29