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出版社内容情報
五年前の「栖王市連続殺傷事件」によって大切な幼馴染を失った少年・斉川是太は、放課後の放送室で錯乱した通り魔に襲われる。男の凶刃が友人・久瀬真奈に迫ったその時、是太は怒りのままに叫ぶ。「殺人者なんて――今すぐ死んでしまえッ!」ただ悲痛なだけの弱者の嘆きはしかし現実のものと化し、通り魔は自らの首を刺し貫いてしまう。
「成立した多数決の結果を実現する」能力。人知を超えたその力と共に現れたのは、もう二度と目覚めるはずのなかった幼馴染――円谷イトカだった。「1月のプリュヴィオーズ」本編の前日譚。これはもうひとつの「月の石」がもたらす正義のおとぎ話。
内容説明
五年前の“栖王市連続殺傷事件”によって大切な幼馴染を失った少年・斎川是太は、放課後の放送室で錯乱した通り魔に襲われる。男の凶刃が友人・九瀬真奈に迫ったその時、是太は怒りのままに叫ぶ。「殺人者なんて―今すぐ死んでしまえッ!」ただ悲痛なだけの弱者の嘆きはしかし現実のものと化し、通り魔は自らの首を刺し貫いてしまう。―『成立した多数決の結果を実現する』能力。人知を超えたその力と共に現れたのは、もう二度と目覚めるはずのなかった幼馴染―円谷イトカだった。“1月のプリュヴィオーズ”本編の前日譚。これは、もうひとつの“月の石”がもたらす正義のおとぎ話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴローさん
5
「1月のプリュヴィオーズ」の前日譚と言う事ですが、そっちを知らなくても楽しめました。後ろ暗い雰囲気も好みに合っていて良かったです。3月の多数決の能力はピーキー過ぎて使い勝手が悪いですが、それを上手く使いこなす是太の狡猾さには目を見張りました。遺族達を集めての多数決には鳥肌が立ちました。入賀は死んだようですが、欲望を開放された人々は残っているのでまだまだ是太のやる事はおおそうです。ってか久瀬さんもだけど円もやばい事になってましね…続きが気になりますがまずはマンガを購入して読まなければ!!2013/01/18
ちかもり@再出発
4
「1月のプリュヴィオーズ」未読。これはかなり良かった。復讐の物語かというと、それだけでもない。復讐が正義であるためにはある種の偏りは絶対的に必要なんでしょうねえ。能力の限界を細密に調べるあたり、主人公は初めから使い道を一つに絞っていたともいえるわけですが、対象がげっすいクズ野郎じゃなかったらどうなってたんだろうなとは思います。その意味でこの結末はすごく続きが気になるし、ものすごく続編が読みたい。続くとすれば、次はたぶん「許し」の物語になるんじゃないかなあ。すごく読みたいなあ2014/01/01
m-bird
4
何事にも哲学は必要だ。何十年と使われているUNIXは、当時の哲学のみを受け継ぎ、しかしその実装は全く異なっている。この作品には、そんな受け継がれるべき哲学というようなものが書き込まれている。正義とは何か?時として人は考えるけれど、それは相対的なものであるし、結局のところポジショントークにしかならない。そして多数決が出張ってくる。けれども、その多数決が本当に総ての意見を反映しているのだろうか?多数決の暴力になっていないだろうか?中二ラノベの皮を被り、この作品は僕たちに問いかけをする。2012/11/27
otsuri
4
帯では「正義の本当の意味を教えてくれます」と銘打たれてましたが、正義よりも力の意味について述べられていた小説だと思います。結局のところ、私刑という原始的な形式での裁きであったわけですし。力こそ正義ってか?あと、主人公の能力に対する理解が早すぎてちょっと展開に違和感を覚えました。単に他人を操る能力だとありきたりだから一捻りしたのでしょうが、一捻りした分、仮説→検証のプロセスがもっとあってしかるべきだろうに。2012/11/14
郭(クルワ)
4
読み始めたら、とても良かったので先に1月を読んでしまった。すごく面白かった!! しかし、まだ何一つ終わってないので続巻はよ。1月を読んでるとニマニマ出来るシーンが多々あり。2012/11/07