感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei-zu
36
何年かぶりの再読。「六福神」の単行本で持っていました。現実に並行する「向こう側」を垣間見せてくれる「堂々たる大嘘」が楽しい。 本書は、雪山を舞台にした「産女の来る夜」を除き、水辺を題材にした物語展開。その後に活躍する渚ちゃんも登場します。2021/03/02
あーびん
27
「産女の来る夜」雪深い寒里村に伝わる産女の伝説と秘祭カムドイ。六部殺しと産女のコラボ。「六福神」こちらは七福神と七人ミサキの融合。民俗学ではわりとポピュラーな伝承を組み合わせてこんなファンタスティックでおぞましい物語をみせてくれる諸星先生のセンスがすごい。2021/01/18
阿部義彦
23
堪能しました!そしてグッタリと心地よい疲労感が。妖怪ハンターシリーズ最後の一冊です。この巻では妖艶な女達があの世からもこの世からも活躍します。サブ主人公として、渚と大島くんが道案内を、後半では稗田は登場すらしないで、論文らしき文言が最後に書かれるだけ。ハンターよりも傍観者ですね。『淵の女』の河童も凄いが次の『うつぼ舟の女』は最高傑作とも言う出来です。罪や穢れを写して海に流す形代と島に流れ着く寄り物、そして異形の生物とうつぼ舟の伝説との意外すぎる結びつきには息もつかせぬ展開で、良く考えたと完全降伏です。2024/06/02
アズル
22
妖怪ハンター第三弾。大島君と渚ちゃん(絶妙な?ネーミング。狙っているのか?)の住む粟木町を舞台にしたお話が連作となっています。天の巻、地の巻に比べて、かなりエロティックな場面が多く見られました。ラストの「帰還」の渡海のお話って、なんとなくどこかで耳にしたことがあるものでした。何かしら説法や伝承のようなもので頭に残っていたのかもしれません。2016/08/20
安南
18
お気に入りさんからの情報で。補陀落渡海とうつぼ舟に興味ひかれて、水の巻のみ読了。民俗学から着想を得ているらしいワクワクする、いかにもありそうな伝説の数々。どのお話しも最後は妖怪に襲われそうになるのだけれど妖怪の姿がみなほとんど同じ形態。ドロドロとした軟体生?物。妖怪とは人の情念の化身と捉えているのかな。美少女渚ちゃん、何度も昏睡状態に陥って心配です。憑依体質ってキツイね。2013/06/20