内容説明
遮那王は、鞍馬寺の稚児だ。都の貴族の子弟が多い稚児の中で遮那王は自分の親も生まれも知らない。負けず嫌いで喧嘩っ着い遮那王は、ひとつ年上の若王丸との意地のはりあいで、魔物が住むと恐れられている山の影向杉に縛りつけられてしまった。夜の闇の中から、魔物たちがやってくる。魔物に襲われて意識が朦朧となった遮那王を助けてくれたのは、花の精のように美しい稚児弓月だった。
遮那王は、鞍馬寺の稚児だ。都の貴族の子弟が多い稚児の中で遮那王は自分の親も生まれも知らない。負けず嫌いで喧嘩っ着い遮那王は、ひとつ年上の若王丸との意地のはりあいで、魔物が住むと恐れられている山の影向杉に縛りつけられてしまった。夜の闇の中から、魔物たちがやってくる。魔物に襲われて意識が朦朧となった遮那王を助けてくれたのは、花の精のように美しい稚児弓月だった。