内容説明
有名な進学塾に入学した17歳の都。彼女はこれまで『特別』な存在として、学校に通わず、閉鎖された環境で過ごしてきた―。生まれて初めてできた友人・璃花との話の中で、都は塾に『特別な生徒』がいるという噂を耳にする!自分の情報がすでにもれていることに危機感を覚えた都。そんなとき、塾の生徒の今日子と初音が言い争う現場にでくわして…!?四人の少女を取り巻く陰謀が動き出す。
著者等紹介
友桐夏[トモギリナツ]
1976年6月8日滋賀県生まれ滋賀県育ち。『ガールズレビューステイ』で2005年度ロマン大賞佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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扉のこちら側
36
初読。2014年165冊め。8~9年前に読んだ「白い花の舞い散る時間」の前日譚。しかし昔すぎて前作を忘れていた。選ばれた生徒が集まる塾、その中の特別な生徒。宗教団体の跡目争い。2014/02/28
藤月はな(灯れ松明の火)
21
「特別」を疎み、「普通」に埋没することを望むのは『自分が「特別」であるということを自覚している』という無自覚の傲慢さを前提にしなければ成り立たない。自分が「特別」であることへの慢心とそれを内心でせせら笑う者、人生においての有力な駒=人間を得る社交場としての「塾」、陰の陰謀と未来への布石。「蝶」が実感してしまった所詮は期待は幻想でしかないということはよくあること。ものの見事に騙されました。しかし、駒はどちらかというと取ったら二度と使えないチェスよりオセロや将棋の方が相応しいと思います。2013/04/27
紅
13
『白い花の舞い散る時間』の都の過去の話。ページをめくるたびに「普通」な空間が「特別」な空間になっていく雰囲気がたまらなく好きだと思った。2014/02/20
幸音
11
リリカルミステリーシリーズ3作目。「白い花の舞い散る時間」より時系列が前。選ばれた者しか入ることを許されない塾に入った少女の物語。うーん、「白い~」や「春待ちの~」に比べると盛り上がりに欠けたような。特別な存在という都に入り込めず。恋心に戸惑うのは可愛かったけどまさかあんな結果とは。エピローグまで読めば時系列が分かったりするけど、それでも分からない箇所があった。何者かに狙われているという面白いシチュエーションなのに緊迫感がないのは、誰を自分の駒にするかを冷静に分析しているからか。「璃花のばか」が好き。2014/02/18
紗奈
5
いつまでたっても好きなお話。作者さんのこの不思議で妙な緊張感がある世界は何度読んでも楽しめる。こんな塾があるなら絶対に通いたいと思う。駆け引きが面白かった。新作が出てくれればいいのに。2011/07/29