内容説明
試験休み、祐巳に柏木から電話がかかってくる。瞳子が家を飛び出して、戻ってこないのだという!乃梨子や可南子など、心当たりに電話しようとする祐巳。しかし、捜すまでもなく瞳子は祐巳の家に現れる!近所で帰宅途中の祐麒と出会ったのだった。瞳子に家出の事情を訊けないでいる祐巳だったが…!祐巳と瞳子の関係に変化が…!?クリスマス・イブに何かが起こる、シリーズ最新刊。
著者等紹介
今野緒雪[コンノオユキ]
1965年6月2日、東京生まれ。『夢の宮~竜のみた夢~』で1993年上期コバルト・ノベル大賞、コバルト読者大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kitten
11
マリ見て再読。由乃のスール問題がひと段落して、いよいよ祐巳と瞳子の最終決戦?が始まる。でも、キーパーソンは乃梨子なんだよね。パーティーに瞳子を誘って、との祐巳のお願いを「嫌です」とがつんと拒否するのがカッコいい。怜ちゃんは、由乃、リリアンから離れる決心をするけど、由乃の荒れっぷりは凄まじいだろうなあ。平和なのは白薔薇姉妹だけ。2021/08/19
幸音
9
「未来の白地図」祐巳のお願いに対して乃梨子が否定の返事をした理由が後で分かったので安心。瞳子と可南子は本当に仲良くなったなぁ。祐巳や由乃の自己紹介にそれぞれらしさがあり、またクリスマスパーティーでは去年のそれを彷彿とさせる要素もあり楽しかった。3年生の進路も明かされ、それぞれの妹は憤慨したり安堵したり。瞳子は一体何を背負ってるのかな。諦めなければいいわと伝える祥子さまの励ましが心地よい。「薔薇のダイアローグ」子離れしようと決めた令さまの話。敷地内で二人乗りした後の会話を反芻するラストの余韻が印象的。2013/11/11
成瀬雯悟
8
両親と衝突して家を飛び出した瞳子が、祐巳の元を訪れる。礼儀正しく、しっかりしているように見えて実は不安定、また変なところで頑な。瞳子も祥子さまと同じく「この人が笑ってくれれば、それだけでいい」と思わせられるキャラクターだなぁ。今まで、瞳子には祐巳が必要だったけれど、その逆は当てはまらなかった。でも、これからは互いに、相手を自分にとってかけがえのない存在と認識して、その上でぶつかったり離れたりを繰り返すんだろうな。どんな未来が待っているのか、どんな地図が出来上がるのか、ふたりの行く末を見届けたい。2019/04/14
綾瀬ちかこ
8
瞳子ちゃんの家出騒動から始まった物語。プティスール誕生かと思いきや、ロザリアの受け取りを拒否し、なかなかうまくいかないのね……としんみりした一冊。 お姉さま方のリリアン卒業後の進路が明かされ、姉妹の関係も揺れ動き、やきもきしてしまいました。 祥子さまと自転車を二人乗りする令さまの会話がもの凄く好き。お気に入りのワンシーンです。2013/06/12
かみかみ
6
ついに瞳子を妹に使用と決意する祐巳。が、事がそう上手く運ぶことはないのは宿命と言うべきか。がんばれ祐巳、そしてがんばれ瞳子。黄薔薇のところは菜々が上手く溶け込んでいく感じで対照的。2019/12/24