内容説明
早春。女子高生の沙耶は、姉の伽耶の勤める病院でひとりの少年に出会う。裏庭の桜の木の下、まるで春霞のようにはかなげな姿―天才ピアニストだった彗。次第に彼に惹かれていく沙耶だが、ある日、彼の本当の病名を知る。ふわふわ舞い散る花びらみたいな淡い恋のゆくえは…?絶賛で迎えられた二〇〇三年度読者大賞受賞作が、もうひとつの書き下ろしラブストーリーとともについに登場。
著者等紹介
沖原朋美[オキハラトモミ]
3月22日生まれ。佐賀県唐津市在住。現在、病院勤務。『桜の下の人魚姫』で2003年度ノベル大賞読者大賞受賞
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感想・レビュー
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樹
13
上品で繊細な描写が印象的な作家さんです。内容はありきたりなものではありますが、透明感のある文章で、一つ一つのエピソードが丁寧に紡がれています。この作品に出てくるクラシック曲も、有名な作品を使っているので、あまりクラシックを聞かない方でもイメージしやすいかなと思います。2013/04/15
さわこ
8
再読。2003年度ノベル大賞読者大賞受賞作。高校生の沙耶と、天才ピアニストだった彗との出会い。繊細な描写がとても素敵でした。コバルト文庫は学生時代に好きでよく読んでいたけど、その中でもかなり完成度の高い作品だと思う。山本史緒さんや唯川恵さんみたいに、一般小説でもやっていけそうだなーと感じた。★★★★★2017/02/12
U
7
『月光』が凍えるように静かに美しくてほうっとなりました。繊細な二編。何気にみんなおしゃれさんなところにどきどきします。彗くんいい性格してるな……(笑)2015/01/28
まりい
4
胸がきゅっと締めつけられるくらい切なくて、でも同時にふんわりと優しい気持ちになれる美しい恋愛小説でした。表題作も書き下ろしの続編も大好きです。少し文章がかためで読みづらさを感じることはありましたが、作品全体に漂う独特の透明感はとてもすてきでした。ところで、沖原さんって小田菜摘さんと同一人物なんですよね?なんだかびっくりです。『嫁恋』のようなファンタジーものも大好きですが、こういう現代ものの少女小説も良いものだなあと思いました。2013/01/02
ゆり
2
再読です。表題作もいいし、続編も大好きです。透明で優しいロマンス。ドイツ菓子を食べてみたい(笑)。2010/12/22
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