内容説明
幼くして母親に捨てられたルドンの心には、つねに孤独の荒野がひろがり、哀しみの調べが漂っていた。近代絵画史上、最も特異な画家のひとり、ルドンが描いた、闇にうごめく奇怪な蜘蛛たちや、天空に光りかがやく古代の神々たち、そして目もあやな色彩の幻の花蝶の饗宴は、我々を不思議な夢の世界にみちびく。
目次
図版(第1章 夢の深淵;第2章 神とブッダ;第3章 古代世界の神々;第4章 花・色彩の至福)
ルドンこの1点 『聖アントワーヌの誘惑 第3集』―黒の想像力(阿部信雄)
エッセイ ルドンと文学(粟津則雄)
評伝 ルドンの生涯―夢の中へ(阿部信雄)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイアイ
23
生後2日で家族と引き離され母方の伯父に育てられる。19世紀もっとも文学と深く関わった画家。確かなものは夢の中にある。不気味さは、日本人には愛らしい妖怪にみえたりする。ルドンの花の絵が好き。▷図書館2016/03/13
ユーキー・ノウェイン
3
美しい。色彩豊かであり、奇妙な独創性がいい。ひっそりとした影がいい。2017/05/09
おゆ
0
ルドン展行けなかったので悔し紛れに借りてきた。「笑う蜘蛛」「キュクロプス」は、小中のころ処分する教科書から切り抜いて取っておいた覚えがある。そのせいかパステルと木炭のイメージが強かったけど、油彩もいいなぁ…。奇妙だけど繊細で優しい絵たち。ただ、キャプションはあんまりよくない。巻末の評伝があれば事足りる。2012/07/18
cydonianbanana
0
母2008/11/30
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- 和書
- 惑星童話 コバルト文庫