出版社内容情報
南フランスの豊かな自然の中で生まれ育ったファーブルは、どのようにして自然や虫たちと対話していたのか。その秘密を探る。
目次
1 マラヴァルの農家
2 サン・レオンの学校
3 大きな街ロデーズ
4 アヴィニョンの学生時代
5 カルパントラの小学校
6 アヴィニョン師範の名物教師(博物学への道;アカネの研究;アヴィニョンの友人たち)
7 オランジュの家
8 やくそくの地アルマス
9 ファーブル先生の1日
10 アルマスの光の中で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
280
最終巻はファーブルの伝記。1823年に生まれたサン・レオンから1915年に永眠したアルマスの丘までの生涯をたどる。これまで7巻にわたって読んできただけに感慨もひとしおである。幼年の頃から青年期、中年期までは苦労の多い日々だったが、晩年近くになってようやく経済的にも、また名声や栄誉にも恵まれたようだ。もっとも、ファーブル先生にとっては、虫や植物の研究ができるのであれば、それで十分だったのだろうが。ファーブルこそはまさに理科と文学とを繋ぐ、真の意味での博物学者だった。 2024/02/26
毒兎真暗ミサ【副長】
32
ファーブル先生の子供時代からを振り返る伝記。しかし昆虫の話はやっぱり切り離せるはずはなく、要所要所に様々な昆虫が先生の人生を彩る。そんな先生であるアンリくんの過去は、貧しいながらに【好奇心】という武器を獲てどんどん開花していくのだ。ハチの詩から教養を学び、だからこそ其れをもって息子ジュールの死を悼み。虫も人もひとつの命の花を咲かせていると、先生はお金にも目もくれずひたすらまっすぐなのである。化学の授業での発言も可愛らしい。生きる喜びを知っている人は強い。そして活かす喜びを知っている人も、また強いのだ。2024/05/10
バッカス
5
前野ウルド浩太郎さんの本に何度も出てくる、ファーブル。昆虫記は読んだことあるけど、伝記は未読だったので、良いチャンスとなった。前野氏並みの研究家。子ども向けの本だけど、ファーブル先生の熱さはよくわかった。2019/02/10
イリエ
4
貧乏に悩まされた天才ファーブルの人生が悲しい。当時からすると、虫に執着するファーブルは少し浮いていただろうと思う。かなりファーブル贔屓して翻訳されているが、時計の音がうるさいと止めてしまったり、鳥の声がうるさいといって散弾銃をぶっ放したりと、なかなか困ったおっさんでもあるようだ。ま、面白いけど。2014/07/17
けいちゃん
3
子どもにすすめられて読んだ本。数学や科学に魅せられ、好奇心のまま学び続けるファーブルの姿がとってもいい。貧乏な家に生まれ、給料は安いし、講義内容が物議をかもし退職させられるし、病気療養したり、何度も引っ越しするし、金がなくて本を書きまくったりと、なにかと忙しい人生。60過ぎて再婚して70代で子ども作ってるし〜。好きなことをし続けるファーブル。やっぱり周りからは変人と思われていたようだけど、それでいいよね。ファーブル先生、大好きになった!!2020/01/09