出版社内容情報
山道に落ちている小さなロールキャベツをつくったのは何者? シギゾウムシのドリルのような口など、おもしろい虫が大集合!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
275
この巻はオトシブミという、なんとも雅な名前を持つ甲虫をはじめ、ハナムグリ、カミキリムシ、ゾウムシの仲間、シデムシが登場する。カミキリムシはともかく他はかなり地味な甲虫たちである。シデムシにいたってはその果たす役割に比して不人気である。読んでいて驚いたのは日本に670種のカミキリムシと1000種以上ものゾウムシがいること。また、それぞれの虫たちの子育ての戦略の多様さと、特化した生態にもいつものことながら驚きを新たにするばかりである。2024/01/16
毒兎真暗ミサ【副長】
27
【ファーブル紀行と】ファーブル先生55歳を転機としお引越しの回。オランジュに広い土地を買い「アルマス」と名付けて研究三昧である。セリニャンの前の家も素敵だが、露土戦争の煽りを受けたのだとか。ハナムグリやカミキリについて研究する昆虫食の前半。後半は主役のオトシブミへ。幼虫の巣を見事に作り上げ、名前の由来も丁寧に。ロールキャベツみたいに葉っぱをクルクルする。誰にも習わず健気に生を繋げていく姿が愛おしい。シデムシ、ゾウムシそしてエンドウ豆の関わりも。歴史の裏側で人も虫も生きていく。ドングリの底で孵化するように。2024/01/27
イリエ
8
シデムシの回が興味深かった。屍を栄養にしてくらし、子孫を残す生態なんて初めて知りました。「シデムシは、元気に働いているときには、平和を守り、ひまになって、することがなくなると、ともぐいの習慣をもってしまうのです」うーむ、人間のことのように思ってしまう。2017/02/17
piro5
2
カミキリムシの幼虫はカリッと焼くと美味いらしい。ゾウムシはドングリに長い口を刺して、体をぐるっと何度も回転させて穴を開けて卵を生む。シデムシは死体の下の土を掘って埋めるが、下が硬いレンガだと周りをうろついているオスがレンガの外の柔らかい土を見つけ、そこを掘るように死体を移動する。2019/06/30