内容説明
その昔、遊牧の国だったトルコの最重要都市イスタンブールは、そののち多民族都市となり、東西の文明はこの地で融合し、それぞれに伝播した。著者独特の史観を交えて希有な都市遍歴の謎をえぐった秀作。「シルクロードの旅」「西域余聞」併録。
目次
シルクロードの旅(カシュガルまで;賓館の客;カシュガル小史 ほか)
西域余聞(汗血馬;葡萄;石榴 ほか)
イスタンブール(天翔ける征服者;聖ソフィア聖堂、千七百年の歴史;ビザンティン残影 ほか)
断簡拾遺(天山を行く;達坂を越えて;異色の高昌城 ほか)
対談 自作の周辺―東と西のかけ橋となって(陳舜臣vs稲畑耕一郎)
感想・レビュー
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Miyako Hongo
2
私が読んだのは文春文庫のやつだけど、この本で良いのかな□イスタンブールの地理と歴史をぎゅっと詰め込んだ一冊。旅行ガイド兼歴史書兼紀行文。いけるものなら行ってみたくなったが昨今の国際情勢考えるとあの辺りはきな臭い。でもトルコが魅力的な国であることは判った。宗教に寛容ってのは文化が豊かって事だと思う□昔知人がイスタンブールを「侵略されつくした都」と言ってたなあと思い出した。激動の街であることは違いない。東西のせめぎあいの最前線的な所は確かにある□イエニチェリ、政治にも口出す筋肉腹黒オヤジの巣窟だったんだ。2024/09/26