感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポテンヒット
11
ドノソ「ブルジョア社会」とガルシア・マルケス「族長の秋」のみ読了。「ブルジョアー」は、読み始めはやや困惑したが、途中からは、え?そんな展開?と面白くなった。貧富と性の格差を風刺したかなり奇妙な物語。諸星大二郎が漫画化しても面白そう。「族長の秋」は独裁者の愚かな人生。我が身の危険を察知する動物的勘は見事で幾度も危機を乗り越え、裏切りには虐殺で周りを黙らせる。都合の悪いことは見なかったことにする。現存する独裁者たちの顔がちらついた。二編とも長距離を走ったような感覚で読了。ラテンアメリカ文学は手強いね。2023/08/16
山がち
5
ラテンアメリカ文学に関しての知識が乏しいため妥当な評価をできないが、どんな基準で作品を選んだのかは気になるところがある。特にガルシア=マルケスに関しては、ラテンアメリカ文学の金字塔とも言うべき「百年の孤独」ではなく「族長の秋」が収録されているのが注意を引いた。また、バルガス=リョサも「緑の家」などではなく、ある種のルポルタージュのような短編が収録されたことなど、その編集には面白いものがある。分量が多く読むのには苦労したものの、一つ一つ読んでいくうちに確かにラテンアメリカ文学へのイメージはできたように思う。2012/05/18
kozy758
2
ボルヘス、ドノソ、ガルシア=マルケスなど大作家が一度に楽しめる極上のラテンアメリカ文学集である。濃厚な気や一方では静謐さもあり、多様な作品群の読書は大人に許された贅沢か。特にボルヘス『エル・アレフ』ドノソ『ブルジョア社会』がお気に入りである。2014/10/06