内容説明
解き放たれた真実の叫び現代ロシアの多彩な文学世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ポテンヒット
10
ザミャーチン「われら」のみ読了。自由なき幸福か、幸福なき自由か。主人公Dは「慈愛の人」を頂点とする統制された単一国に住み、自分が「私」ではなく「われら」の一部である行動様式に疑問を抱かなかったが、Iという謎めいた女性に出会い、心の奥底に眠る個人としての意識に気づかされてゆく。自由とは古代人の未開状態であり、われらの行動を乱す者は死のみという世界でも、やはり人の心や本能に訴えるのは人への情愛か。多少読みにくさがあるが、レーニンの時代を生きた作家の、単なるSFではない真実味を味わった。2023/07/07
matsu
10
「巨匠とマルガリータ」読了。解説が簡潔にして言うべきところを言い尽くした感があるが、要は風刺なのだ。喜劇的な国家システムと近代人を描いた点はなるほどと思うのだが、ドタバタが長いのが難点。集英社ギャラリーは装丁も収録作品もセンスがいいので好きです。2017/02/08
風に吹かれて
7
集英社ギャラリー『世界の文学』のロシア編3冊を読了。一年一冊で、三年かかってしまった。この巻にはロシアの革命時代の作家や詩人の作品が収められている。反革命的と評された芸術家は不遇の人生を送り、それでも作品を書き続け、現在の私たちはそれを読むことができる。ソビエト政府から好ましくないと判断された作品にこそ、真実がある。長編の感想・レビューは「コメント」に5本載せちゃいました。⇒2015/09/12
kozy758
2
20世紀のロシア・ソビエト文学を納める。良書である。ザミャーチン、ブルガコーフ、プラトーノフ、ソルジェニーツィンなど。いろいろ楽しめて、お買い得である。20世紀の詩も収録するなど意欲が感じられる。 2014/09/21
コマイヌ
1
反省のないゴーリキーへの悪口雑言から解説が始まっびっくりした。2回の革命とソビエト政権成立後の年代を押さえておくと大体理解できる?ソルジェニーツィン/江川卓解説は良さそうだった、作品も冷静でユーモアがあって面白かった。ザミャーチン洪水はちょっとやりすぎかな(そしてこれ以上邦訳作がなさそう)、プラトーノフジャンは悲しすぎるが安岡治子解説からすると他の作品を見てもいいかもしれない。2021/04/11
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- 和書
- 霜月記 講談社文庫