内容説明
人間の魂に聴診器を当てた医師の厳粛な記録。
目次
第1章 娘よ
第2章 真昼の月
第3章 再び僕自身のこと
第4章 そして今、僕はホスピスにいる
第5章 ホスピス棟の人々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリママ
41
前作から2年後の1993年発刊。今作で書かれた終末は、苦痛を取り去り、優しさと安らかさの中で逝き、見送る物語で、このようであればどんなにいいだろうと思う。死に際する彼女たちの幸運は、医療者が懸命に取り組んだ終末期医療に出会えたことだ。著者がホスピス医として働き始めた聖ヨハネ会桜町病院は我が家の近所にある。ホスピス科ができたころは、まだ病院内に病室があったが、その後、広いロビーと庭を臨む個室のある落ちついたホスピス棟が建てられた。ただ、知人をお見舞い行った折に、希望者が多く入院するのはとても困難だと聞いた。2024/09/26
やいっち
35
1993年頃に読んだ、当時 話題の本。
まさまま
25
◉最初の仕事に就く前〜新米の頃に手にした記憶がある。“人間の尊厳”を問う素晴らしい作品。◉20世紀末…偽りの説明や苦痛に耐えていた末期ガン患者や家族に寄り添い、また医師としての苦悩も滲む内容だった。それでも最期まで人間らしい穏やかな時間や環境の中で死が迎えられるよう、闘ってくれる医師や看護師がいることに希望の光を見たのを覚えている。◉あれから月日が流れ、医療やホスピスの現場はどれほど変わったのだろうか…。これからも同じ志を持つ仲間や施設、ホスピスの理念が広まっていくことを強く願っています✨
金吾
22
○人生の終焉をどのように迎えるのかを考えさせられます。「娘よ」「真昼の月」は感極まりそうになりました。2024/03/28
コッツ
1
前作よりもホスピスでの話が多くなっている。2015/08/29