出版社内容情報
小学生向け謎解き小説。著者は、不器用ながらもたくましく生きる人々を、生き生きと描く実力派作家。小学校のクラスで、周りになじめず「へんな子」扱いをされている女子、「とわ」と「冴」が主人公。彼女たちの日々の暮らしの中で起こる不思議な事件に、立ち向かい、解決し、成長する物語です。周囲からつまはじきにされても無理におもねることなく、自分らしく強く生きようとする主人公たちの姿は、友人関係など人との関わり方に悩む、思春期の入り口に立つ読者を勇気づけてくれるはずです。また、人の発言の裏側や行動の矛盾を突きながら、謎を解き明かす楽しさ、面白さがふんだんに盛り込まれたストーリーに、読者は謎解きの面白さ、文章をじっくり読む楽しさに気づかされるでしょう。
【目次】
内容説明
みんなと意見が違うのは“へん”なこと?クラスになじめないのは“へん”なこと?学校の“へん”な2人にしか解けない謎がある―。
著者等紹介
加藤元[カトウゲン]
1973年生まれ。神奈川県出身。東京育ち。2009年、『山姫抄』で第4回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かな
28
名探偵と言う言葉に惹かれて読んだが、これと言った謎はなくさらっと読み流してしまった。この話の核となる猫カフェも小学生の女の子限定って事情を知らない人にとっては世間的に非常に危ないお店。唯一、興味を引いたのが第3話のうらしまたろうの真実。読友さんが読んでいた絵本でおもしろそうだと思い借りてきた「うらしまたろう」とリンクしていた件。一般に知られている昔話の浦島太郎と原典となる「御伽草子」の比較をしていて興味を引いた。4つの季節が巡る不思議な部屋のくだり、絵本には四季の様子が描かれていてとても綺麗だった。2025/12/17
イカまりこ
6
転校生の小学生が主人公。初読みの作家さんだと思う。気が合う子、合わない子いるよね~どころじゃなく、クラスの嫌な奴ってキャラが描かれてて正直な作品だ~って思った。しかもお母さんがその類のやつはそのまま大人になるって娘に教えてるのも興味深い。どんな人とも話せばわかりあえるよ~的な嘘臭い教訓がなくていい。起こる事件は日常の人が死なない謎なんだけど、子供に防犯の意識を芽生えさせる、ちょっとぞっとさせる雰囲気を纏ってる。昔話を深く考察する小学生の章が面白い。お話を享受するだけでなく、自分事に置き換える思考がいい。2025/12/19
小説大好き
3
不快に思われる方もいるかもしれませんが、私はダメだと思う本にははっきりダメと言うことにしています。誰が何と言おうが本作は酷いです。まず、露悪的な人物像。これは多くの人が読んで気になるところだと思います。勿論、綺麗事のような優等生的人間関係を描けとは言っていませんが、逆にここまで悪意に満ちた自分勝手な人物ばかりというのもまた、リアリティがないです。しかも不快な方向にリアリティがないので最悪です。話も基本は人物の身勝手さに沿うように展開していくので、引っ掛かりポイントが山ほどあります。総じて「露悪的」な作品。2025/11/07




