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内容説明
「田沼屋敷に化け猫があ!」さすがの平賀源内も呆れ果てた顔で中川淳庵を見つめた。杉田玄白と同じ蘭医で、薬草にも造詣の深い淳庵が、ただの噂でこんな話を持ってくるわけがない。薬草の全国博覧会、「東都薬品会」を企画運営していた源内は、第5回の開催にむけ、玄白、淳庵を連れ江戸中を走り回っていた。そこにこの話である。淳庵は、げっそりやつれた田沼屋敷詰めの男から、奥御殿でひと月も続いた怪異と、奥女中の死をうちあけられた。そして化け猫退治をもちかけられたのだ。「蘭医にそんなことを頼むとは」と絶句する玄白に源内はいう。「もし本当にいるのなら詳しく観察して俺の本に載せてやる。これが俺の基本姿勢よ!」若き源内が、ユニークな仲間たちと、化け猫退治にのり出した。大江戸冒険活劇、ここに登場。