なぜ、はたらくのか―94歳・女性理容師の遺言

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なぜ、はたらくのか―94歳・女性理容師の遺言

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784072746486
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

内容説明

「人のために」「頑張る」「はたらく」「真面目」「人情」…人間本来が持っている心の大切さを一人の女性の生き様が教えてくれます。―関東大震災、第2次世界大戦を生き抜き、はたらき続けた新橋ガード下の女性理容師・魂の言葉。

目次

第1章 「はたらき」続けて(なぜ、人は「はたらく」のか。それは、「端を楽させる」ためなのです。;仕事は選ぶもんじゃない。与えられた仕事こそ天職。 ほか)
第2章 「戦争」に生きて(今の世の中が悪いっていっても、戦争に比べたら小さいこと。だって、弾は飛んできませんから。;大切な人と暮らす。そんな日常の幸せを戦争は奪う。 ほか)
第3章 日本人が忘れた心(戦中・戦後は貧しかったが心は豊か。現代は豊かになったが、心は貧しい。;若い女性には慎みと身だしなみを。 ほか)
第4章 生きる喜び(生かされていてありがたい。五体が動くことはありがたい。お水がいただけてありがたい。;「このくらいですんで、おかげさま」。そういう気持ちでいると、自然と道が開けます。 ほか)
第5章 九十四歳、最後のお説教(親元を離れている人は、親に電話をし、顔を見せてあげなさい。;ご先祖様を供養しなさい。 ほか)

著者等紹介

加藤寿賀[カトウスガ]
1915(大正4)年、東京・京橋生まれ。関東大震災、東京大空襲を経験。十五歳で女学校を自主退学して理髪店で修業。35年に理容師試験に合格。39年結婚、日本橋馬喰町に「バーバー加藤」開店。45年の終戦直後にご主人を亡くして以来、女手ひとつで二人の娘をハサミ一本で育てる。48年に日本橋小伝馬町で共同経営の理容店を開き、53年に新橋駅のガード下で理容店「バーバーホマレ」を開店。多くの常連さんに支えられ、2009年末までハサミを持ち続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まる

36
90を過ぎてこれだけお元気でしっかりされているのは凄い。心意気も尊敬します。努力と我慢の人生だったんだろうな。ただ、本当にこの方は立派だと思うのですが、こんな上司や親類がいたら仕事も育児もどんどん辛く苦しくなっていくだろうな……やはり根性のない私はほどほどに生きていこう。2018/03/03

masa

33
タイトルの「はたらく」が何故、「働く」でないのか…。周りの人達を楽させる=「端を楽させる」ために「はたらく」のだと語るのは本書の語り部・加藤寿賀さんだ。94歳で亡くなる3ヶ月前迄、現役の理容師として80年間、正に「はたらき」詰めの人世だった。やっと戦争から復員した直後に夫に先立たれ、ハサミひとつで二女を育て上げた彼女の言葉は、人間が本来持っている心のありようをストレートに語っていて思わず姿勢を正したくなる。よく耳にする道徳観念でなく、必死に生き抜いた人だからこそ伝わってくる真摯な言葉に胸打たれた。15802015/05/10

むつこ

25
生きるために始めた理容の仕事で生涯現役を通した女性の言葉集。どれも聞いたことのある言葉の数々の中にすぅーっと心にしみる一言がある。人生の中でたくさんの人とふれあい、感じ、身をもって経験した人の言葉は深みがある。他人に触れられることに苦手意識がある私、これからはもう少し身をゆだねてみようかな。2015/09/01

miu

23
80年間はたらき続けた寿賀さん。働くのではなくて、はたらく。はたらくとは、端が楽になること。関東大震災も東京大空襲も、夫の死も次女の死も、全て乗り越えてきた寿賀さん。はたらいてばかりって思ったけれど、そうじゃなかった。感謝すること。笑って過ごすこと。よく聞く話だけれど寿賀さんが語るとまた違う。怒ってはいけない叱らなくては。戦争を美化した話はいけない。水は大切にしなくてはいけない。今はたらいてる人たち皆に読んでもらいたい。なぜ、はたらくのか。おかげさまで仕事ができる。忘れてはいけないこと。2016/07/03

のほほん@灯れ松明の火

21
なぜ、はたらくのか。 94歳までずっと働いてこられた方の言葉は、とてもあたたかくて、とても重みがありました。「はた」を「らく」にするから、「はたらく」。 こんな風に考えたことすらなかったです。 行き詰まったり、辞めたくなったりした時には、この本のことを まず思い出そうと思います。 2012/04/27

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