内容説明
マリーアが12歳の誕生日にもらった豪華プレゼント。なかでもいちばん素敵なのは、ちいさな奴隷の少年だった―。人を人と思わないこと、差別することの醜さと愚かさをうきぼりにする珠玉の本。2006年ドイツ児童文学賞。2006年グスタフ・ハイネマン児童文学平和賞。
著者等紹介
フェルルーン,ドルフ[フェルルーン,ドルフ][Verroen,Dolf]
1928年オランダ、デルフトに生まれる。作家、評論家、翻訳家、エッセイストとして活躍。1958年以来、これまでに児童書だけで六〇以上の作品を発表し、数々の賞を受賞している。そのなかでも、オランダでもっとも権威のある児童文学賞、銀の石筆賞に三度輝いている。『真珠のドレスとちいさなココ』で、2006年ドイツ児童文学賞、2006年グスタフ・ハイネマン児童文学平和賞受賞
中村智子[ナカムラトモコ]
1966年、神奈川県生まれ。法政大学法学部卒業。ドイツ留学中に児童書の美しさに魅せられ、以来、ドイツ語圏の児童文学を中心に、さまざまな分野の書籍紹介に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にゃんこ
21
【図書館】 40章からなる物語。 詩のような、散文のような… そんなお話だから、サラサラと物語は進んでいきます。 でも、内容は濃いと思います…。 南米の、奴隷制度があった時代のお話。 「本文中に一部、差別的な表現が含まれる箇所がありますが、奴隷制度に対して問題提起をしている本書においては、作品成立上不可欠の表現であるため、原書に忠実に訳出いたしました。ー編集部」と、ことわりのメッセージ付き。 行間も広く、先ほども書いたように詩のような書き方なので読みやすい分、深く考えさせられる気がします。2014/09/30
速水 舞
7
奴隷をプレゼントされた少女のお話。淡々と綴られる日常が恐ろしい。しかし、真に恐ろしいのは、多分この時代の人がこれを読んでも何も感じないであろうということ。2016/02/08
koa
2
話は短くて単純(?)なんですが、これをどうとらえていいかが少し難しい気がしました。2014/08/17
gero
0
散文詩;奴隷;南部貴族;思春期 この上なく醜い青春小説。思いやらなくていいとされる対象に人はここまで無自覚になれるのですね。マリーアは12歳の誕生日にマイ奴隷ココとかわいい鞭のセットをもらいます。うんざりするほど延々と黒人奴隷に対するナチュラルな暴行と女の子の悩みが描かれますが散文詩形式のおかげで自然に読めます。女たちも抑圧を受けているのですがこちらもまた誰も自覚できず、野蛮な思考フレームの中で暴力の再生産に走ることしかできません。バカみたいですが時代の制約です。ただし昔の正義というより「同情する相手」→2024/11/06
ひさこ
0
5602022/04/16