講談社文庫<br> 家庭用安心坑夫/猿の戴冠式

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講談社文庫
家庭用安心坑夫/猿の戴冠式

  • 小砂川 チト【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065437650
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

【家庭用安心坑夫】
夫との平穏にみえる家庭に漠然とした不安を抱えた専業主婦小波が、ある日、日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったはずのシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。小波はいまも実在する廃坑テーマパークに置かれた、坑夫姿のマネキン人形があなたの父親だと母に言い聞かされ育つが、やがて東京で結婚した彼女の日常とその生活圏いたるところに、その父ツトムが姿を現すようになって……。

【猿の戴冠式】
いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。
ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。
――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。



【目次】

内容説明

廃坑テーマパークのマネキン人形を父親だと言い聞かされて育った専業主婦の小波。東京で夫と平穏に暮らしていたが、ある日、実家の洋服箪笥に貼ったシールを日本橋三越の柱に見つける。さらに父ツトムが生活圏に出現したことで幼い頃に引き戻され―。(「家庭用安心坑夫」)「猿の戴冠式」を含む二作を収録。

著者等紹介

小砂川チト[コサガワチト]
1990年岩手県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。2022年、「家庭用安心坑夫」で第65回群像新人文学賞を受賞。同作が第167回芥川賞候補に。さらに’24年、「猿の戴冠式」で第170回芥川賞候補、単行本化された『猿の戴冠式』で第37回三島由紀夫賞候補、第46回野間文芸新人賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Katsuto Yoshinaga

10
うーん?わけがわからん。しかし、頁を捲らせる圧がある。アタマに浮かんだ情景・言葉を、推敲したりまとめたりせず、直に文章化したように感じる。つげ義春氏に代表されるガロ系漫画、あるいは「鉄男」とかの”ぶっ飛んだとされる映画”のそれに近い感覚である。統合失調症の方が小説を書くとこうなるのでは、と思いながら読んでいたところ、解説の町田康氏が「正気小説と狂気小説の間に設置された鉄板を外して、二つを混ぜた」と評していたことで納得。というわけで「家庭用…」は一応楽しめたが、「猿の…」については、ちょっと合わなかった。2026/06/25

yuui

8
置いてけぼりかんをなんか凄く感じた気がする! こんな感じの作者の独りよがりな内容の話はほんとは好きじゃないし、面白くもないなと、いつもやったら思うんやけど、今回は不思議と面白いなと思った! 改めてよくよく考えたら面白くないんですけどね。2026/07/11

きょん

4
これは狂気なのか、現実の読み替えなのか、2作ともエキセントリックな思考の主人公が直面する自意識の危機のようなものが描かれる。辛い現実や過去を別の記憶にすり替えたり、周りの事物に投影したり、というようなこと?どちらも興味深く読んだ。解説は町田康さん。2026/07/08

してるね

1
見てはいけない深淵。誰しもが心の奥深いところに持っているものなのに、そこに蓋をして、初めからないかのように、僕たちは日常生活をやり過ごしているに過ぎない。しかし、本書の主人公小波のように、ごく稀に、その深淵を覗き見てしまう人もいる(実家で出会ってしまった自分自身などはまさにそれだと僕は読んだ)。読む方も「もっていかれないように」注意が必要な、人間の狂気に光を当てた危険な純文学。でも強烈なドラッグのようで(そう、文学は取扱注意の劇薬なのだ)、僕には堪らなく魅力的。7/102026/06/28

種まく人

1
なんて言ったらいいんだろう。ものすごく感想をいうのが難しい小説だった。町田康の解説にあるように正気小説と狂気小説の間の鉄板を外して二つを混ぜた作品というのが本当にその通りだと思う。テーマパークのマネキンを父親と信じて疑わない主人公という設定はまさしく奇想と言えるもので面白いと感じた。2026/06/27

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