講談社現代新書<br> 今こそ経済学を問い直す―切実な「必要」の声を聴くために

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講談社現代新書
今こそ経済学を問い直す―切実な「必要」の声を聴くために

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065425749
  • NDC分類 331
  • Cコード C0233

出版社内容情報

GDPが増えればほんとうに幸せになれるのか?
経済学が見落としてきたものとは?

「働かざる者、食うべからず」、「豊かな生産と消費を達成すれば誰もが得をする」――
アダム・スミス以来、私たちを支配してきた価値観。
経済成長を追求し、市場経済を駆動させるだけでは見えてこない、ほんとうに求められていること=「必要」に注目をし、経済思想史を捉えなおす。成長なき時代の豊かさを考えるための必読書!

【本書の主な内容】
●「働かざる者、食うべからず」という価値観
●通常の経済学には「必要」という言葉は出てこない
●お金の価値を疑う都留重人「制度派経済学」
●経済学を切り拓いたスミスの二つの著作
●マルクスが描いた理想と資本主義の現実
●J・S・ミルの「漸進主義」
●マーシャルが重視した「組織」への投資
●市場が与える評価は正しいのか――ケインズ
●福祉国家体制の躓きの石
●カール・ポランニーが見た地域コミュニティの破壊
●構造的不正義を是正するために
●市場経済とは異なるしくみ    
●単一中心的思考と多中心的思考



【目次】

内容説明

GDPが増えればほんとうに幸せになれるのか?「働かざる者、食うべからず」「豊かな生産と消費を達成すれば誰もが得をする」―気鋭の経済思想史家が私たちを支配してきた価値観を疑い、成長なき時代の「大問題」に挑む!「居場所が欲しい」「公平に評価されたい」…、経済成長を追求し、市場経済を駆動させるだけでは見えてこない、ほんとうに求められていること=「必要」に注目し、経済思想史を捉え直す。成長なき時代の豊かさを考えるための必読書!

目次

序章 経済学と「必要」
第一章 スミスとマルクス―「生産・消費」と「必要・分配」という二つの目標
第二章 J・S・ミルとマーシャル―正統派経済学の「必要」への向き合い方
第三章 ケインズ―「必要」に配慮する兆し
第四章 福祉国家体制の失敗―利権化と対話の欠如
第五章 「必要」の声を聴く―I・M・ヤング
第六章 「必要」に関するもう一つの経済―CSR支出の義務化と「必要」の数値化

著者等紹介

中村隆之[ナカムラタカユキ]
1973年、神奈川県生まれ。京都大学経済学部卒業。同大学大学院博士後期課程修了。博士(経済学)。現在、青山学院大学経済学部教授。専攻は経済学史、経済思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

44
経済学というより社会における価値観の変革を提唱した一冊。「欲求」をベースにしたモノ(経済成長)基準で評価される今の社会を、「必要」をベースにした多中心的な基準に基づいた社会に変えていくべきとする。この新味性は薄いとはいえ非常に壮大な主張を、アイリス・M・ヤングによる「責任の社会的繋がりモデル」とそれを実現するための「私企業に対するCSRの義務化+“ラディカル・デモクラシー”が提唱する必要ポイント制」という具体的提案に落とし込んで展開していく。難度は高いが社会が目指すべき方向性として説得力があると感じた。2026/02/10

よっち

27
経済成長を追求し市場経済を駆動させるだけではない、本当に求められているものから経済思想史を捉えなおす1冊。経済成長の限界を自然資源枯渇や環境破壊だけではなく、GDPに十分反映さない部分にあると指摘。より切実な衣食住の生存基盤や差別されない権利、居場所の確保、難病ケア、職場での公正な評価が重要となっていく一方、「働かざる者食うべからず」の考えが社会的排除を正当化する構造、必要が切り捨てられる現状や成長神話から脱却して真摯に向き合うことが必要で、経済学がこれまでどれだけ人間を置き去りにしてきたか痛感しました。2026/02/08

Satoshi

12
経済学というより前半は経済学史、後半は社会学の解説といった趣き。前半は勉強になった。戦後の福祉国家が息詰まり、世界は新自由主義に向かう。新自由主義の矛盾と副作用を学術的に述べているが、行き着いた先は第2次トランプ政権のような気がする。ロールズの思想、地域社会への弱者の受け入れなど多くの提言があるが、制度と人々のマインドのどちらを変えていくべきなのだろう。2026/05/14

PAO

10
「本書は、経済学が避けてきた「必要」概念を正面に据え、その切実な声を聴くことを通じて、真に豊かな社会をめざす」…アダム・スミスから始まりマルクス、マーシャル、ケインズ、ヤングと経済学の歴史を辿りつつCSR支出の義務化と「必要」の数値化をすべきと説きます。新自由主義とは資本家の都合でアダム・スミスの『国富論』への回帰であり経済学は何の進化も遂げていない事実に愕然とします。そして「働かざる者食うべからず」論を理性としては否定しつつも感情として惹かれることに戦慄する自分に現代社会の病理の深さを思いしらされます。2026/05/06

Kooya

4
「必要」という観点から経済思想史を批判的に振り返った本。経済成長によって豊かな生産と消費を実現することを最優先とした既存の経済学は、「人々が本当に求めているもの(=必要)」への洞察が浅いと指摘し、「必要」を満たすための処方箋を提示している。人々が本当に求めているものは十人十色だが、本書を踏まえると、それは「自分の尊厳が担保された状況」だと推察される。そのため、特に井手英策の主張に共感する人は、本書の主張にも親近感を覚えるのではないかと思った。(コメント欄へ続く)2026/03/01

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