講談社文庫<br> 爆発物処理班の遭遇したスピン

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講談社文庫
爆発物処理班の遭遇したスピン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065419496
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

この面白さ、解除不能。恐怖とスリルに満ちたミステリー。表題作ほか、「ジェリーウォーカー」「くぎ」を含む8編の超絶エンタメ短編集!

爆発物処理班の遭遇したスピン
●東京で開催されるオリンピックの警備に参加するため、対テロ訓練を実施する鹿児島県警警備部機動隊の爆発物処理班。その訓練中、鹿児島市内の小学校に爆破予告があった。現場に向かった班員たち。爆破予告はおそらく虚偽だろう──彼らがそう思い込んだとき、強烈な爆風が班員を吹き飛ばす。テロ組織からの犯行声明、そして新たな爆破予告。やがて爆発物処理班が直面したのは、未知なる〈量子力学〉の謎だった。

ジェリーウォーカー
●おぞましくも魅惑的なクリーチャーをつぎつぎと生み出し、〈クリーチャー界の王様〉と称賛される世界的CGクリエイター、ピート・スタニック。自身も映画スターのように扱われるようになった彼は、都会の喧騒を離れ、オーストラリアのハンターバレーに広大な土地を購入して製作に没頭する。人々には決して明かせない重大な秘密を隠したまま……。短編ながらハリウッド大作の雰囲気を併せ持つ、収録作中でも人気の高いSFスリラー。

シヴィル・ライツ
●新宿歌舞伎町に事務所を構える暴力団。未曾有の財政難を解決するべく金策に姿を消した組長に代わって、若頭の舟伏(ふなぶし)がトップに立った。冷酷な舟伏の節約主義は常軌を逸し、廃車寸前のスクーターを盗まれただけで「指を詰めろ」と迫られる組員。ただし、刃物で指を切り落とすほかに、恐るべき別の選択肢もあった……。独裁者と化した若頭のもとで、己の仁義を貫こうとする一人の組員を描いた特異なノワール。

猿人マグラ
●福岡が生んだ最高の小説家・夢野久作。しかし夢野先生の小説は、なぜか福岡ではあまり読まれていない。にもかかわらず、〈私〉の育った福岡市南区には、夢野先生の代表作『ドグラ・マグラ』に関連するとおぼしき不思議な言葉が残っていた。その由来を調べる〈私〉は、終戦直後に起きた怪事件を知るに至り……。著者みずから『Ank: a mirroring ape』(大藪春彦賞・吉川英治文学新人賞)の準備作と位置づける都市伝説系作品。

くぎ
●社会に溶け込めず、暴力事件を起こして保護観察となった少年・安樹。それでも塗装店に就職し、同僚たちとまじめに働いていた。ある日、個人宅の天井補修の塗装依頼が入る。いつも通り仕事を終えようとするが、住人の思いがけない態度から、現場は不穏な空気に包まれて……。著者初の〈川崎〉を舞台にした、のちの『テスカトリポカ』(直木賞・山本周五郎賞)につながる作品。日本推理作家協会賞短編部門候補作。



【目次】

内容説明

爆破予告のあった小学校に出動する鹿児島県警爆発物処理班。彼らを待っていたのは常識を超えた量子力学の謎だった―警察小説と科学が融合した圧巻の表題作の他、世界的CGクリエイターの悪夢を描く「ジェリーウォーカー」、日本推理作家協会賞短編部門候補作「くぎ」など、恐怖とスリルに満ちた八篇を収録。

著者等紹介

佐藤究[サトウキワム]
1977年福岡県生まれ。2004年に佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。’16年、『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。’18年、受賞第一作の『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞および第39回吉川英治文学新人賞を同時受賞。さらに’21年、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞と第165回直木賞のダブル受賞を果たす。’24年、『幽玄F』で第37回柴田錬三郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Porco

19
アンダーグラウンドと暴力と不条理に従わせられる容赦の無さを描く割には、意外に思えるほど読み易い。これは本短編集に限らず他の佐藤究作品でも見られる特徴だ。それに付随して、本作では読み進めていく内に各作品のテーマが変態していくということにも着目したい。警察ミステリからよくわからない何かに変わった表題作。【シヴィル・ライツ】の指詰めの選択の裏にある別の選択。どれも独特な変容を見せてくるのが面白い。書くものの基本ベースは変わらないものの、広範に押さえている知識の守備範囲の広さと懐の深さに感心してしまう。2026/01/12

ソラ

11
【読了】C 初めて読んだ作家だったがこれはなかなか好きになりそうな作風で長編などほかの作品も読んでみたい。2025/12/31

zero

8
鬼才・佐藤究の才能が光る唯一無二の短編集。表題作に関しては「Ank : a mirroring ape」のように、もう一歩踏み込んだ科学的発想が欲しいと思ってしまったが、それ以外の短編に関しては、文学作品のような濃厚さとトラウマ級のオチが両立した悪夢的な世界に没頭させられた。中でも魅惑的なクリーチャーを生み出す天才クリエイターの秘密を描いた「ジェリーウォーカー」は、物語に不思議なリアル感があり、小説としての完成度も高かった。普通の小説に飽き飽きした人や、パンチが利いた小説を読みたい人におすすめ。2026/01/21

スエ

7
全8編の短編集。いずれも長編として読みたくなるくらいに密度が濃くて大満足でした。テーマも量子コンピュータ、キメラ、ドグラマグラ、シリアルキラーのアート作品、乱歩などなど中二病こじらせおじさんのハートにグサッと刺さるものばかりでね。これら怪しい題材が上滑りすることなく、リアルに描かれているのもさすが。巻末の膨大な参考文献を見れば納得です。手癖におちいらず、丁寧に作品に取り組んでいることがうかがえて良かったです。2025/12/21

水槽

6
“爆発物処理班”という言葉から明るい話ではないのだろうなと思いながら、同時に“スピン”って何だというのが頭に浮かんだ。読んだ今も、現時点の自分には理解出来ていない部分もある。ただ、間違い無く言えるのは決してハッピーエンドでは無いと言う事だ。それは残り七篇にも言える。読んでいる自分は救いを求めているのだけれど、それはしっかりと裏切られる。その時に抱く感情は怒り、悲しみ、やるせ無さといった負の感情だ。読む時によってはかなり沈む時もあったけれど、八篇全てをこのテンションで描ける佐藤究という人は凄いなとも思った。2025/12/31

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