出版社内容情報
そっちはどうですか? あいかわらず最悪ですか?
こっちはこっちでまぁまぁ最悪かな!
無責任な暴力、すれ違う意識、のしかかる思い込み――
8人のきららの8つの人生が照射する
残酷でかすかにあたたかい世界の物語
人気モデル兼女優の偽物、痴漢された女子高生、特別な日を撮影するカメラマン、推しの若き死を願う会社員……
あちこちに現れて 誰かであり 誰でもない
名前のない私たちみんなが
「きらら」として生き抜いている
【目次】
内容説明
きららはあなたかもしれない。モデル兼俳優、作家を取材するライター、痴漢された女子高生、川で殺された女の子、昼休憩をとる会社員―どんな彼女たちの名前も、青木きらら。8人のきららの人生を通して、私たちの痛みを掬い上げ、ともに生きる力をくれる芥川賞作家による傑作エンパワーメント小説。
著者等紹介
藤野可織[フジノカオリ]
1980年京都府生まれ。2006年「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞を受賞しデビュー。2013年「爪と目」で第149回芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
58
男性が経験することのない不利益を強く訴えるわけではなく。例えば、警備会社派遣スタッフのきらら。本人は何も変わらないものの離婚して失うこれまでの自分。無くなる社会的な保証や信用、生じる壁、雇用の更新手続き、セキュリティーカードの更新、をあまり深刻に考えず、のんびりしていて不思議になった。テレビ局に派遣された保安要員のきららは、拡張工事で増殖拡大する生き物のような社屋の中で仕事から買い物から寝泊り、役所の手続きまで全て叶うことから自宅に帰らなくなりあっさりと離婚する。すると当たり前が叶わなくなると気付いた。2026/01/22
mayu
25
初読み作家さん。帯に「理不尽な痛みを抱える彼女たち、全員青木きらら」とある通りさまざまな青木きららが描かれた短編集。現実的ではあるんだけれど不思議な世界観がずっと続く。ジェンダーとか痴漢、結婚してない事や、夫婦別姓にワンオペ育児に職業差別と今の時代に広がるさまざまな問題が色濃く描かれている。読めば読むほどどの話も女性蔑視について強く主張していてだんだん読んでいて疲弊して苦しくなってしまった。女性は今の時代こんな風な理不尽な扱いを受けているんだよ!!と本全体で叫んでいるように感じた一冊。2026/01/16
イシカミハサミ
15
「青木きらら」という名詞を与えられて、 どんな人物を思い浮かべるだろうか。 可愛いorカッコいい? 華奢or小太り? 高身長or低身長? 長髪or短髪? 性格は?服装は?髪色は? 思い浮かんだ数が積み上げた悪徳で、 当てはまった数が積み上げた悪行です。 9人の青木きららが同じ特徴を持っていたとしても、 10人目の青木きららがその特徴を持つわけではない。 永い永い人類の歴史の中で 張り付いて取れなくなった「女性」に対する 役割、幻想、強制、思惑。 それらを引きはがそうと試みた小説。 のように読めた。2026/01/19




