出版社内容情報
うつのみや賞&日本児童文学者協会受賞作家が挑んだ意欲作!
悪魔のような父親から虐待を受ける居所不明中学生の一輝(いっき)が、
父の洗脳から抜け出し、自分の人生を歩みだすまでの「目覚め」の物語。
愛すべき、憎むべき相手の要さんというたった1人の家族、親をどう乗り越えるのか? 
一輝が最後に選択したものとは?
【目次】
内容説明
ぼくは、逃げている。ぼくと要さんは、ずっと逃げている。要さんは、借金取りから逃げているのだ。そのせいで、正式に家を借りることも、住民票を異動することもできない。だからぼくは学校にも通えない。逃げるって決めなきゃ、なにも変わらないよ。―走れ。悪魔から解放されろ!日本児童文学者協会賞受賞作家が描く、居所不明児童の現実と未来。
著者等紹介
佐藤まどか[サトウマドカ] 
『水色の足ひれ』(第22回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞・BL出版)で作家デビュー。主な著書に『スーパーキッズ 最低で最高のボクたち』(第28回うつのみやこども賞受賞、講談社)、『一〇五度』(第64回青少年読書感想文全国コンクール中学校の部課題図書)『アドリブ』(第60回日本児童文学者協会賞受賞)(以上、あすなろ書房)など。イタリア在住。日本児童文学者協会会員。季節風同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まる子
19
          
            小5から学校に行かず、母親に捨てられたと思いながらも中1の一輝は母親の元パートナーと生活する。この元パートナーがクズ!!一輝にスリをさせ生活するわ、終いにはあたり屋をさせようとする。中1だってそれがよくない事ぐらいわかる。このままでいいのか?!と思った所で母親からの手紙、捨てられたわけではなかったと知る。一輝は元パートナーも含め犯罪という名の悪魔から離れられるのか⁉️「消えた子どもたち」3部作の1作目。2、3作目は2026年に発売予定。2025/10/23
          
        なつこうへい
2
          
            小学生の一輝を置いて家を出た母親。父親の要は生活力が無いため一輝と二人で放浪している。学校にも行けず、金を稼ぐため要は一輝に不法なことまでやらせている。ダメ父は最後は一輝に当たりやを…。ひどい。要が逮捕され、一輝は児童施設へ。施設は地獄のようだと教え込まれていたが、そこは衣食住そろった安らぎの場所だった。最後、一輝へ母と思われる人から手紙が…。たぶんね、そうだと思ったが、胸にしみた。2025/10/28
          
        小説大好き
1
          
            あまり出てこなさそうな感想として、オーソドックスな精神分析で読み解けそうな話だと感じました。話全体が、主人公の一輝が親である要とまゆみから主体を獲得することの暗喩として機能しており、ポイントは父の要が女性原理に属する人物ということです。まゆみへの不自然な執着は女性原理への同化願望であり、一輝は実質的に二人の「母親」から自己を分離させたのではないかと思うのです。すると、母親の代替と思われていた綾香が実は一輝と母を切り離す「父親」の役割を果たしていることが浮き彫りになり、ラストにも説得力が生まれると思います。2025/10/20
          
        


 
               
               
              


