出版社内容情報
太陽神につつがなく運行してもらうためには、生贄を捧げなければならないーー。
生贄制度が残り、王と神官が絶対権力を持っていたマヤ文明。
父と母を殺され、姉を生贄にされ、自らも生贄として殺されかけた少年・スレイは、ウェラス族のヘルマスに救われなんとか命をつなぐ。
生き残れ、地獄のようなこの国で。稀代のストーリーテラーがおくる、前代未聞のマヤ文明サーガ!
内容説明
これは滅びゆく国の物語。故郷を奪われ、家族を殺され、自らも太陽神への生贄にされかけた少年・スレイ。やがて彼は英雄となり、国を揺るがす革命の幕が上がる。唯一無二のストーリーテラーが放つ、圧倒的スケールのマヤ文明×冒険小説。
著者等紹介
恒川光太郎[ツネカワコウタロウ]
1973年東京都生まれ。2005年『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。’14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アーちゃん
50
2025年発行、書下ろし。600ページ超えの鈍器本なのに圧倒的な面白さで一気読みが勿体なく感じたほど。簡単に書くとマヤ文明の架空の国”エルテカ”の滅びの物語なのだけど、読みやすさと登場人物の魅力でどんどん惹きこまれていき、静謐なラストに唸る。生贄として島から誘拐され、女性に救われるスレイ。生贄を”悪”として人々に説く少年レリイ。気まぐれで残虐な王。中でも人喰い”泥縄”出身の戦士ドルコと最高神官のカザム・サクがいい。これだけの人物全ての書き分けが出来ているのはさすが恒川さん。今年のベスト本。2025/11/04
糸巻
15
栄華を極めた王国エルテカが衰退し滅びゆく壮大な物語。サリュザ島に暮らすスレイ少年が、王国から来た男達に父を殺され太陽神の生贄になるため連れ去られる場面から始まる。スレイがのし上がっていくサクセスストーリーのようでいて、戦士シベリア・泥縄のドルコ・神官フォスト・レリイ教団の信者たちの視点でも語られそれぞれが交錯し1つの物語になっていく。マヤ文明が下地になっているようだ。人々のカリスマ的存在感を持つ人間が複数居たとしても、滅ぶ時はこうも容易いのかと人間の愚かさに絶望感を味わった。でも面白かったわ〜2025/11/09
沙智
11
面白かった。ページ数が多い要因としてキャラクターの多さがあり、大きな活躍をできないまま道半ばで退場していく者も多い。各々の信念を掲げた人物が現れては無惨に死んでいく。読んでる途中はメインの人数をもっと絞れるんじゃないか、この属性は2人もいらなくないかなんて考えたりもしたけど、それぞれの正義を全うできないままに戦乱の中で沢山の人間がバタバタと死んでいく無情さと混沌こそ、この時代のリアルだったんだろうなと思った。長い夢から覚めたような読後感。争い合う人々も、隆盛した文明も、全ては泡沫の夢のようで…2025/10/27
siohei
8
国家事業で他所の人を攫って生贄にしたり、その生贄を食べたり、王様がノリで戦争したり臣下を殺したりする現代の日本の感覚とはかけ離れている世界で自分の信念を貫き通す登場人物たちの壮大な物語。大変満足。あー乱世乱世。2025/10/28
梓川
7
規模がデカイ。壮大。マヤ文明の知識が欠片も無かったから何がマヤ文明かよく分からなかったけど、それ抜きにしてもすごく面白かった〜!! 革命を通して人と人の正義と信念がぶつかり合っていく。その中で書かれるひとりひとりが確かに生きていた証。散っていく命と愛情が胸に刺さる。 分厚かったけど一瞬でした。 そんなに数多く読んでいるわけじゃないから、恒川さんこういったのも書くのか……と新鮮に思ったけど、読後に感じた静かで深い感動はたしかに恒川作品だなあ〜〜!!って思えた。面白かった!2025/10/28
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