出版社内容情報
第二次世界大戦中1万人のユダヤ人を救った「いのちの電車」に乗って、お父さんと別れた少年とお父さんの家族愛を描いたおはなし。
1939年2月、ベルリンに住む6歳のヘンリーは、ヒットラー政権のユダヤ人迫害から逃れるため、お父さんと離れてイギリスと暮らすことになりました。
ベルリンではユダヤ人と差別され、イギリスではドイツ人と差別されて傷つくヘンリー。
心の支えになったのは、ベルリンから届く、おとうさんのポストカードでした。
おとうさんが、ヘンリーを思いやって選んだポストカードは、とてもかわいらしくヘンリーの心をなぐさめてくれます。
お父さんが息子を思いやる気持ちが伝わる……愛にあふれた物語。
本当にあったお話にもとづいた戦後80周年記念企画。
巻末に、第二次世界大戦中にドイツからイタリアに子どもたちをおくった「キンダートランスポート」の解説、年表を掲載しています。
【目次】
内容説明
第二次世界大戦直前の1938年、ドイツではヒットラー政権によるユダヤ人への迫害が強まっていました。そこで、ユダヤ人の子どもたちだけでも逃がそうと、彼らをイギリスに運ぶ「いのちの列車」(キンダートランスポート)によって、約1万人の命が救われました。これは、「いのちの列車」に6歳のときに乗り、父親からはなれてイギリスにわたったヘンリーさんのおはなしです。
著者等紹介
那須田淳[ナスダジュン]
1959年浜松市生まれ。子ども時代を武蔵野と鎌倉で過ごし、早稲田大学を経て、しばらく海外を放浪。28歳のとき『三毛猫のしっぽに黄色いパジャマ』(ポプラ社)で作家デビュー。『ペーターという名のオオカミ』(小峰書店)で、産経児童出版文化賞、坪田譲治文学賞を受賞。翻訳も『ちいさなちいさな王様』(講談社)など数多く手がける。95年にベルリンに転居し、今も年の半分はドイツにいる。和光大学、清泉女子大学非常勤講師
中村真人[ナカムラマサト]
1975年横須賀市生まれ。10代のころからベルリン・フィルに憧れ、早稲田大学在学中は交響楽団に所属。2000年にベルリンに移住し、現在はフリーライターとしてクラシック音楽や歴史、戦争とその記憶の継承などについて執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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