出版社内容情報
犯人はあなた。
名探偵がそう決めました。
裁判中継が国民的娯楽に!?
真実なき時代のモキュメンタル・ミステリ!!
裁判の生中継番組が一大エンターテイメントとなり、「名探偵」が活躍するようになった社会。
法学部生の僕はじいちゃんと裁判中継を観ていた。
一瞬でトリックを暴く名探偵。有罪は確定。
しかし、じいちゃんは言う。
名探偵の推理は間違っている。
凄腕の探偵だったじいちゃんは法廷でかつての弟子と推理対決をすることに――。
論理(ロジック)の刃は、空気で決まる“真実(フェイク)”を切り裂くか?
【目次】
内容説明
裁判の生中継が一大エンターテイメントとなり、「名探偵」が活躍する社会。法学部生の僕はじいちゃんと裁判中継を観ていた。一瞬でトリックを暴く名探偵。有罪は確定。しかし、じいちゃんは言う。名探偵の推理は間違っている。凄腕の探偵だったじいちゃんは法廷でかつての弟子と推理対決をすることに。論理の刃は、空気で決まる“真実”を切り裂くか―?真実なき時代のモキュメンタル・ミステリ!!
著者等紹介
似鳥鶏[ニタドリケイ]
1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。魅力的なキャラクターやユーモラスな文体で、軽妙な青春小説を上梓する一方、精緻な本格ミステリや、重厚な物語など、幅広い作風を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
152
似鳥 鶏、五作目です。王様のブランチBOOKコーナーで紹介されたので、読みました。本書は、名探偵エンタメミステリファンタジーでした。数多のミステリ作品に名探偵は登場しますが、果たして名探偵は実存しているのでしょうか(笑) https://www.kodansha.co.jp/book/products/00004152412025/09/20
mint☆
77
この世界線は怖すぎる〜!名探偵と呼ばれる人たちが殺人事件の推理をして事件を解決。その裁判がテレビ中継される。犯人はテレビ映えする人が選ばれる。本物の殺人犯かなんて関係ない。矛盾がある推理だったとしても司法は動かない。そんなことをすれば世間からバッシングを受けるから。ありえないはずなのに現代の風潮に似ていて危うさを感じた。間違ったことでも世間の声が大きければそれが真実になってしまう。これをテレビにもネットにも弱い元名探偵のおじいちゃんがどうやってひっくり返すのか?似鳥先生の物語とは関係のないあとがきも良き。2025/09/13
美紀ちゃん
70
法廷に名探偵。それがテレビ番組に。じいちゃんは観察力と注意深さがあり小さな変化や違和感を見逃さない。論理的に考えていて情報を整理し矛盾点や真相を見抜く。空気だけで犯人にされる推理ショー。間違っている。じいちゃんがこの違和感にもの申す。ただ論理的に正しいだけでは勝てない。つまらなすぎる。そこが最大の壁。実際に被害者がいる事件をエンターテイメント仕立てで流すのはどうなのか?人間一人の人生が決まる裁判というものを娯楽として消費するのはどうなのか?名探偵の佐伯鷹羽も、この茶番をやめたがっていたのかもしれない。2025/09/13
さっちゃん
50
裁判の生中継が国民的娯楽になり「名探偵」が活躍するようになった。論理的な正しさより「空気」で真実が決まるようになった社会。僕がじいちゃんと裁判中継を観ていると名探偵の推理が間違っていると言い出し…。/法廷はともかく、現実でも学校やSNSでは紺野君の件のように「空気」で「有罪らしき雰囲気」が確定することがある。恐らく自分が吊るし上げられるまで危機感はない。もしこの作品のように裁判がエンタメになったら私は観てしまうと思うけれど、じいちゃんのように疑義を感じたら声をあげられるだろうか。じいちゃん、カッコイイよ。2025/08/12
ゆのん
39
犯罪心理やマーダーケースに興味があるのでアメリカの裁判がTVで観れるのは羨ましく思っていたのだが…。本作は日本で裁判がTVショーとして人気を誇っている。それは視聴率第一のもので、全てに台本があり驚く事に名探偵が検察側の席にいる…。まさにディストピア状態。知人の冤罪を証明し、視聴者を納得させ無罪を勝ち取れるのか。こんな話を思い付く作家は凄いと思いながら読んだ。個人的には弁護士のキャラがとても良かった。2025/04/13