出版社内容情報
私立雷辺(らいへん)女学園に入学した時夜翔(ときやしょう)には、学園の名探偵だった大伯母がいた。数々の難事件を解決し、警察からも助言を求められた存在だったが30年前、学園の悪を裏で操っていた理事長・Mと対決し、とともに雷辺の滝に落ちてなくなってしまった……。
悪意が去ったあとの学園に入学し、このままちやほやされて学園生活を送れると目論んでいた翔の元へ、事件の依頼が舞い込んだ。どうやってこのピンチを切り抜けるのか!?
内容説明
私立雷辺女学園に入学した時夜翔には、学園の名探偵だった大叔母がいた。数々の難事件を解決し、警察にも助言をする存在だったが30年前、学園の悪を裏で操っていた理事長・Mと対決し、ともに雷辺の滝に落ちて亡くなってしまった…。悪意が去ったあとの学園に入学し、このままちやほやされて学園生活を送れると目論んでいた翔の元へ、事件解明の依頼が舞い込んだ。どうやってこのピンチを切り抜けるのか!?
著者等紹介
潮谷験[シオタニケン]
1978年京都府生まれ。第63回メフィスト賞受賞。2021年、デビュー作『スイッチ 悪意の実験』が発売後即重版に。同年『時空犯』で「リアルサウンド認定2021年度国内ミステリーベスト10」の第1位に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
140
ホームズ物のパスティーシュと学園物を組み合わせたミステリかと思ったが、あまりに設定に無理がありすぎた。理事長が連続殺傷事件の黒幕と暴露された私立学校など、普通なら翌年には廃校が確実だ。最悪の事態を回避する政治的目的のため、学生名探偵たる時夜遊が命を賭けて悪を滅ぼしたとの物語が学園関係者により誇大宣伝されたのではと思えてしまう。そんな裏事情を知らず2代目Mが暴走したのなら、起こる必要のない犯罪が起きてしまったことになる。2代目探偵たる翔の入学経緯も偶然ばかりで、『伯爵と三つの棺』に比べ明らかにレベル落ちだ。2025/05/07
雪紫
59
ホームズオマージュ+女子校。潮谷さんが連作短編ラノベミステリに挑むとこうなる。軽めかつおとなしい。ある意味承認欲求の充足と自分の実力の剥離に悩んだり、切り抜けようとする強かさは見て面白い(と言うか、同月読んだ「双子探偵」っぽさが・・・ミステリとしてはこっちが上だけど)。翔の性格のせいかこういう結末&バディ物もありだなと思える不思議(あそこは勘付いたのにどうして最後のあれ、気付けなかったんだろ悔しい)。単発で好きなのは第二章。あ、今回の大岩のオバチャン枠は水間先輩ですか?2025/05/11
さっちゃん
52
私立雷辺(らいへん)女学園に入学した時夜翔には、かつて学園の名探偵だった大伯母がいた。30年前、学園の悪を裏で操っていた理事長・Mと対決し、共に雷辺の滝に落ちて二人は死亡。平穏な学園生活を望む翔だが事件の依頼が…。/大伯母が伝説の名探偵とはいえ翔には推理力はない。何とか名探偵のふりをして切り抜けたい翔の前に師匠が現れる。ネタバレになるので詳しく書けないが、軽い語り口とテンポの良い展開でサクサク読める学園ミステリ。雷辺の滝とかMとか遊び心も。ラストですっかり騙されていたことに気付く。続編あるのかな?2025/04/15
オフィーリア
48
楽しく読めるライトでロジカルな学園ミステリ。主人公は在学中に行方不明となった伝説の名探偵の甥(探偵能力0)。自己顕示欲マシマシで他力本願、クソ小物で小賢しくも妙に実直で不思議と憎めない主人公のキャラ造形が素敵。ホームズのオマージュを散りばめつつ気楽に読める良作。2025/06/13
ゆのん
47
前作の『伯爵と三つの棺』がとても面白かったので新作も期待大で読み始める。前作とは全く違った作品で軽快でとても読みやすい。ホームズのパスティーシュ部分あり、学園ものであり、加えて今流行りの特殊設定と盛り沢山で楽しませてくれる。主人公は女子高生で名探偵と伝説にもなっている人物の親戚であり周囲の期待や羨望は半端ない。この主人公がかなりの俗物でありその心情も面白い。登場キャラがどれもわかりやすく好感が持てる点も気に入った。物語では高校2年生になっているが是非続編を読みたいと思う。2025/02/21
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