出版社内容情報
20世紀フランスにあらわれた綺羅星のごとき哲学者たちのなかにあって、ひときわ大きな輝きを放ちながら早世したモーリス・メルロ=ポンティ(1908-61年)。エドムント・フッサールの現象学と出会い、身体を中心に据えることで独自の地平を切り開いたその思想は、その後の現代思想の基盤となるとともに、哲学はもちろんのこと看護学や認知科学、芸術の領域にいたるまで今なお幅広く影響を与え続けている。
本書は、日本にメルロ=ポンティを紹介した第一人者たる著者が、『行動の構造』の公刊に先立つ思想にはじまり戦後の後期思想に至るまで、真正面からメルロ=ポンティの全容をとらえようと試みた書物である。
主要著作のひとつひとつが大部であることが、この知の巨人の全貌を捉えがたくしている大きな理由だが、『行動の構造』、『知覚の現象学』、『シーニュ』、『眼と精神』、『見えるものと見えないもの』など主要著作のほとんどの邦訳を手掛けてきた著者ならではの精緻な読解によって、途方もない構想とその可能性があざやかに浮かび上がる。
前人未到の境地に達したメルロ=ポンティの思考は、なぜ、いかにして可能だったのか。比類なき学識をもつ著者だからこそなしえた、思想的文脈、歴史的背景を踏まえた分析で、その思考の形成過程をも解き明かしていく。
知の巨人が知の巨人に肉迫した、無二の概説書。(原本:岩波書店、1984年)
【本書の内容】
まえがき
1 思想の形成
2 『行動の構造』をめぐって
3 『知覚の現象学』をめぐって
4 戦後のメルロ=ポンティ
5 メルロ=ポンティの言語論
6 メルロ=ポンティの社会理論
7 後期思想の検討
注
文献表
あとがき
解 説(加國尚志)
年 譜
内容説明
『行動の構造』、『知覚の現象学』をはじめ浩瀚かつ難解な著作で知られるモーリス・メルロ=ポンティ(一九〇八‐六一年)。邦訳に長年尽力し、日本における研究の基礎を築いた碩学が、年代順に著作を解説。思想的・歴史的背景を踏まえつつ、その全貌を明らかにする。精緻な読解と圧倒的学識が、孤高の哲学者の壮大な構想を示す概説書。
目次
1 思想の形成
2 『行動の構造』をめぐって
3 『知覚の現象学』をめぐって
4 戦後のメルロ=ポンティ
5 メルロ=ポンティの言語論
6 メルロ=ポンティの社会理論
7 後期思想の検討
著者等紹介
木田元[キダゲン]
1928‐2014年。東北大学文学部哲学科卒業。中央大学名誉教授。専門は西洋哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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