講談社選書メチエ<br> 誤解を招いたとしたら申し訳ない―政治の言葉/言葉の政治

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講談社選書メチエ
誤解を招いたとしたら申し訳ない―政治の言葉/言葉の政治

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  • サイズ 46判/ページ数 344p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065386439
  • NDC分類 311.14
  • Cコード C0310

出版社内容情報

そんな言い訳通用しません!
「そんなつもりはなかった」という言い逃れ、「誤解を招いたとしたら申し訳ない」「心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」という謝罪もどき、「広く募ってはいたが募集はしていない」のような言葉の意味を捻じ曲げる試み、「選挙が盗まれた!」「フェイクニュース!」という挙証なき放言、「うちでネットフリックスでも見ない?」などの言外の意味や隠語による駆け引き、「差別するつもりはないんだけど…」「これはオフレコだけど…」「小説家のSFと考えてください」と予防線を張ったうえであからさまな差別発言をする〈イチジクの葉〉……言葉と責任の関係をあやふやにしようとする企みは、事例に事欠くことがない。
こうした発言の何が問題なのか、言葉と責任の関係はどうなっているのか、そしてそれらの発言が図らずも明るみに出す言葉とコミュニケーションをめぐるある真理の裏面とは何であるのか――。
言葉が溢れ、さまよい、傷つける時代に、気鋭の言語哲学者がデザインする、本当に豊かなコミュニケーションのかたち。

[目次]
はじめに
第一章 「そんなつもりはなかった」
第二章 言質を与える――言行一致の責任
第三章 意図しない表の意味・ほのめかされる裏の意味
第四章 なぜ言わなくても伝わるのか――グライスの語用論
第五章 なぜ思いもよらないことが伝わってしまうのか――誤解と文脈
第六章 誤解じゃないって本当にわかるんですか?――知識と意味の否認可能性
第七章 「いいね」と「そんなつもりはなかった」
第八章 多様化する意味の否認可能性
第九章 犬笛とイチジクの葉
第十章 揺らぐ表と裏の境界線
第十一章 誤解だけど誤解じゃない――聞き手の意味
第十二章 言葉の意味を捻じ曲げる
第十三章 意味の遊びと意味の交渉
第十四章 「誤解を招いたとしたら申し訳ない」
おわりに

文献表
あとがき

内容説明

「そんなつもりはなかった」という言い逃れ、「広く募ってはいたが募集はしていない」という意味の捻じ曲げ、「差別するつもりはないんだけど」という“イチジクの葉”…これら発言の責任をあやふやにしようとする企みは、コミュニケーションの存立の条件そのものを脅かす。しかしそれは同時に、言葉には状況に応じてその意味と力を変更しうる“遊び”があるという、真理の裏面をも示しているとしたら―。言葉が溢れ、さまよい、傷つける時代に、気鋭の言語哲学者がデザインする、本当に豊かなコミュニケーションのかたち。

目次

「そんなつもりはなかった」
言質を与える―言行一致の責任
意図しない表の意味・ほのめかされる裏の意味
なぜ言わなくても伝わるのか―グライスの語用論
なぜ思いもよらないことが伝わってしまうのか―誤解と文脈
誤解じゃないって本当にわかるんですか?―知識と意味の否認可能性
「いいね」と「そんなつもりはなかった」
多様化する意味の否認可能性
犬笛とイチジクの葉
揺らぐ表と裏の境界線
誤解だけど誤解じゃない―聞き手の意味
言葉の意味を捻じ曲げる
意味の遊びと意味の交渉
「誤解を招いたとしたら申し訳ない」

著者等紹介

藤川直也[フジカワナオヤ]
東京大学大学院総合文化研究科准教授。博士(文学)。専門は言語哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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踊る猫

35
日常生活において巷間にて散見されるさまざまな具体的・身近な事象、そこから引き出されうる「言葉」たちについて(とりわけ多彩な時事ネタを切り口に)、著者はきわめて微細かつていねいに吟味・分析を試みる。私見では言葉というものはそのシチュエーション(語る者のテンション、および語られる場の文脈など)も意味作用の伝達に貢献すると考える。したがってこうした本だけではなかなか哲学的な考察は厳しいところがあるが、それでも著者の愚直で明晰でクリティカルな筆致はあなどれない。コミュニケーションの不思議さ・神秘を再確認させられる2025/04/12

かみかみ

4
「誤解を招いたとしたら申し訳ない」「本当のことは本人にしかわからない」「広く募ってはいたが募集はしていない」「差別するつもりはないんだけど」といった論法がコミュニケーションの存立そのものを脅かすこと、言葉は状況に応じて意味と力を変える性質を持つことを説く。言葉にはそう言った性質があるから「そんなつもりはなかった」と言っても、意図しない通りの意味に受け取られることがある。本書で挙げられている言行一致の責任や挙証責任、否認可能性の有無を考える必要があると思った。2025/03/22

zunzun

4
読了した。いい本だった。表の意味、裏の意味から、言い訳できること、できないことを分けて、イチジクの葉、犬笛問題、そして言う側、聞き手側の敵対調整がおこなうことでうまれる社会変化、既存の言語行為問題解決のための言語行為工学。日常的で理解しやすかった。難しそうなことをいっているように思われるかもしれないが、日常われわれが行っている言語行為、それも「保険をかけておく言い方」について言及されている本である。「そんなつもりないけど」「差別する気はないけど」こういった条件や言い回しをしたとき我々の頭にあるのは2025/02/17

K.C.

3
内容的には(筆者は専門家向けでない本とあとがきで触れているが)少々私に取っては難しかった。とはいえ、以前に #川添愛 先生の本を読んでいたので、生成AIの言葉の選択という点でつながりがあったように思う。 #小田嶋隆 さんが仰っていたように、政治家は言葉を操る生業(引用は正確ではない)であり、言葉に責任を持ってほしいと思う。他に為せることはないんだから。2025/05/13

ネコ

2
政治家などの釈明の際によく使われる言葉が使われた題名に興味を惹かれ読んで見ました。想定と異なり、学術的な見地から書かれた本で、すらすらと読めるものではなく、読みごたえのある本でしたが、随所に具体的な事例が挙げられており、理解の助けになりました。2025/05/07

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