講談社文庫 星くずの殺人

桃野 雑派【著】

講談社（2025/02発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 384p／高さ 15cm
• 商品コード 9784065385487
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

クローズドサークル新時代！　
最後の一行まで驚きの連続、限界突破ミステリー！！

3000万円の完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師穂稀は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるが――。
一癖も二癖もあるツアー客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。さらには第2の殺人まで起きてしまう。帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。『星くず』は、宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。

★令和のディクスン・カー（候補）が打ち上げる“天上”最高のゲーム！／法月綸太郎さん
★天上に打ち上げられた「推理」という名の実験室！／阿津川辰海さん
★不可思議も不可解もねじ伏せるアイディア量に、圧倒されました。／五十嵐律人さん
★地球を見下ろす、宇宙的ホワイダニットに震えた。／大森 望さん
★どうやって？　なぜここで？　が一気に解明されるラストが爽快！／潮谷 験さん
★すべてが壮大。舞台も、事件も、真相も。最後の一文が好きです。／辻堂ゆめさん
★周回軌道を漂う極上の謎。大気圏突入（クライマックス）の衝撃に備えよ。／結城真一郎さん

内容説明

日本初の格安宇宙旅行が実現し、添乗員の土師は抽選で選ばれた６人のツアー客とともに宇宙ホテル『星くず』に到着する。しかしほどなく、機長が首吊り死体となって発見。自死？殺人？そもそも無重力状態で首を吊ることは可能なのか？宇宙に漂う巨大密室で、ミステリー史上“最高”の謎解きが始まった！

著者等紹介

桃野雑派［モモノザッパ］
１９８０年京都府生まれ。帝塚山大学大学院法政策研究科世界経済法制専攻修了。２０２１年『老虎残夢』で第６７回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。筆名は敬愛するアメリカの伝説的ギタリスト、フランク・ザッパからとった（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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[たっくん]

和歌山県串本町、スペースポート紀伊。ユニバーサルクルーズ社有翼完全再使用型宇宙船「HOPE‼号」による宇宙ホテル「星くず」への宇宙旅行。一人３０００万円、格安のモニターツアー。伊東機長と副機長兼添乗員土師穂希と当選した六人に乗客たち・・星くずホテルに到着後、地上との会議に現れなかった伊東機長が倉庫内で首吊り状態の遺体となって発見されるが、会社はツアー続行を指示・・機長伊東が死に、地上との連絡は途絶え、ホテルのスタッフは逃げ出し新たな連続殺人が・・帰還できるか、宇宙での密室ホテル、トリック。面白く読了。

2025/03/13

[geshi]

理系にしたいのか文系にしたいのか掴みかねた一作。宇宙ホテルでいかに首つり死体はできたのか？のというHOWの謎は魅力あるフック。登場人物たちそれぞれに宇宙に来る理由があり、美点と欠点があって人間味をもって描かれている。特に地球平面説者の政木は読者の誰もが好きになってしまうキャラクター。ただ、自分としては人間ドラマの割合が多すぎて、ホテルの構造やシステムの説明がもっと欲しいと思った。犯人の壮大な目的と頻発するトラブルとトリックが結びついたガチガチの理系ミステリなのに話は浪花節なのがアンバランスな印象。

2025/03/09

[クレイン]

なかなか珍しい密室もの。宇宙空間の首吊り死体とな…宇宙空間の描写も非常に興味深い。これから宇宙にバカンスに行くとかなるのかもしれない。 事件が起こってからの流れは定番の流れ。最後のセリフは個人的には好き♥️登場人物たちはなかなか印象的で覚えやすい。

2025/03/04

[huraki]

格安の宇宙旅行が実現した未来の日本。副機長で添乗員でもある土師は宿泊施設に到着後、しばらくして機長の首吊り死体を発見する。深淵の無重力空間で、どのように殺されたのか？誰もが夢見る宇宙を舞台に、様々な思惑を抱えたツアー客の人間模様と壮大な計画に驚かされた。

2025/04/05

[nami1022]

桃野雑派先生初読み。予想を大きく上回る面白さ。近未来（といってもほんの数年後くらい）に宇宙ホテルの無重力下でパイロットが首を吊って亡くなった、という設定。桃野先生が宇宙オタクなのか入念な取材をしたのか分からないけど、無重力や微小重力下ではどうなるのか等のディテールが凝っていて、SF好きじゃない自分でも分かりやすく面白い。事件の仕掛けも予想外だし壮大、ついでに動機まで壮大。ロスジェネ世代の矜持のようなものもしかと受け取りました。あと、ラスト1行がミステリの所謂どんでん返しとは違う意味で印象的でした。

2025/02/21