出版社内容情報
孤独な魂と猫(タマ)の奇妙な日々を、独特のユーモアで描く珠玉の連作短編集。
顔が大きくて丸い猫をおしつけられて、ぼくは困ってしまう。間もなく五匹の仔猫も誕生した。気ままで頼りない、おかしな人間たちと猫との日々。さびしさも哀しみもゆるやかに流れ……。英米をはじめ翻訳出版が欧州各地で話題の著者による、猫のようにしなやかな美文。読む喜びをもたらす麗しの連作短編新装版。
内容説明
顔が大きくて丸い猫をおしつけられて、ぼくは困ってしまう。間もなく五匹の仔猫も誕生した。気ままで頼りない、おかしな人間たちと猫との日々。さびしさも哀しみもゆるやかに流れ…。英米をはじめ翻訳出版が欧州各地で話題の著者による、猫のようにしなやかな美文。読む喜びをもたらす麗しの連作短編新装版。
著者等紹介
金井美恵子[カナイミエコ]
高崎市生まれ。1967年、19歳の時に「愛の生活」が太宰治賞候補作となり、作家デビュー。翌年、現代詩手帖賞受賞。小説、エッセイ、評論など刺激的で旺盛な執筆活動を続ける。’79年『プラトン的恋愛』で泉鏡花文学賞、’88年『タマや』(本書)で女流文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
20
講談社文庫、2月の新刊。こののところ中公文庫で出してる同じ著者のエッセイ「目白雑録 日々のあれこれ I~Ⅲ」で名エッセイというか、他の作家への絡みぶりが痛快過ぎて、この作者はエッセイが一番面白いのではないか?と思ってましたが、反省しました、この小説は自分でもスッカリ馴染みました。金井美恵子さんは猫が出てくる小説(迷い猫預かってます)は、しっくりときます。でも、センテンスが長いのは訳があり、つまり「 」を使用してないから、なのですね!と解説で気づいた。種違いの兄弟を持つ二組の駄目オトコの与太話、面白すぎ。2025/03/26
tetsubun1000mg
7
38年前の出版ということだったが古さは全く感じなかった。 登場人物も少なく場面もあまり変わらないのに軽く読めたのが不思議な感じ。 会話と文章が一緒になってメチャメチャ長いのだが読みにくさはなかった。 ネコのタマの話が中心かと思いきや、父親違いの兄弟が中心で展開していくのだがゆるゆるとした日常が描かれている。 2025/05/27
モジモジアニキ
2
キャラクター達を翻弄するツネコさんは作中でそこまで出てこないにも関わらずかつての飼い猫タマに男性陣が面影のなかの彼女を仮託しているせいでずっと夏之の部屋でニャアニャア鳴いたり毛繕いしていたような気がするのです2025/03/19
鉄善
1
ノーベル賞候補として名前があがったことに驚いて購読。一文が長く、私には難解で読み切るのに時間がかかった。2025/04/16
ヘポイ
0
なるほど、これはなかなか興味深い文体であると思い、つまりは長大でどこでお話が区切られているのか分からない(わからない自分がアフォなだけ)ので、困ったことに読むのに時間が掛かってしまいました。ところでわたしもネコが好きなので、目に入れても痛くない(実際に目に入れたら痛いと思います)ほどですが、アレルギーの都合により目が痒くなってしまうこと間違いなしで、飼うことが困難を極めています。つまりはそういうことです。2025/03/25
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