出版社内容情報
鬼才、覚醒。
矢部嵩の前では、すべてが平等だ。
二十五編の物語。
表題作「未来図と蜘蛛の巣」及びそのシリーズ(講談社「tree」で連載)に加え、既発表の掌編と書き下ろしを収録。
矢部嵩の小説に説明は不要。
矢部ワールドに足を踏み入れたが最後、あなたはそこから出られない。
内容説明
矢部嵩の小説に説明は不要。矢部ワールドに足を踏み入れたが最後、あなたはそこから出られない。二十五編の物語。表題作「未来図と蜘蛛の巣」及びそのシリーズ(講談社「tree」で連載)に加え、既発表の掌編と書き下ろしを収録。
著者等紹介
矢部嵩[ヤベタカシ]
1986年生まれ。2006年『紗央里ちゃんの家』で第13回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
54
ここには将来への夢や希望が消滅した未来図と蜘蛛の巣に絡み取られて動きを封じられた現在の絶望を描いているようにも思える25編の短編だった。ホラー、SF、幻想等、様々なジャンルが入り乱れ、混沌とした奇妙な世界を味わった。表題作と「未来を予言する才能について」が印象に残った。「蜘蛛の国から」は不条理と恐怖がジワジワと迫りくるような面白さがあり乙一の短編を彷彿させるものがあった。2025/04/28
のりすけ
28
お久しゅうございます、の矢部さん。中編「エンタ」は最初世界感がつかめなくて「なんぞいや」となったが読み進むとどっぷりハマる。無茶苦茶好きなのは「リペアのコピー」ルックバックみたいな話が突然ウギャ―!となるラスト一行。「登美子の足音」の話のかみ合わなさと待ってる結末に、これまたウギャ―。全体的にウギャー率の高いストーリーばかり。好き…。そして己の語彙にウギャー。2025/05/16
くまちゃん
15
どういう作風なのか分からずに入ったので最初からパニック!なにこれ??でも後半になって、こういう楽しさなんだと悟ってからは一気に面白くなった。もう一回読み返したい2025/05/14
ささやか@ケチャップマン
10
傑作。今年のベストを考えた時に確実に名前のあがる一冊。収録作はエンタという中編以外は全て短編。どの短編も矢部嵩らしい理不尽と暴力と臓物と人間性の一瞬のきらめきが凝縮されているが、中編のエンタはこんなにも残酷な物語を書けるのかと驚いた。ここでいう残酷さとは暴力性ではなくて(滅茶苦茶バイオレンスだが)、現代のエンターテイメント興業全般に対する痛烈な寓話となっていることだ。「祈るって何?」「自分と関係ない物事に、関係のあるふりをすること」2025/04/01
ふるい
10
特に前半の方の掌編が好み。「リペアのコピー」「夜桜と移動」「部屋を見る」あたり。中篇「エンタ」も抜群の読み応えで面白かった。2025/03/23