出版社内容情報
あのベストセラー、待望の文庫化!
「不倫」という言葉を寄せつけないほど二人は正しく高潔であった。
これは、本当にあった「奇跡」の愛の物語。
「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました――」
男は世界的な写真家。
女は梨園の妻で、母親だった。
「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人。
これはまさしく「奇跡」なのである。
作家の私は、博子から託された奇跡の物語を綴ってゆく。
著者の三十八年ぶり書下ろし小説が文庫化。
〈田原桂一君へ
君が再婚したことには驚かへんけど、まさか君が梨園の妻の博子さんと「出会ってしまった」という運命的な言葉の背後にしか生きられへんと悟ったことが「奇跡」やったんか。(略)
君のあの人懐っこい微笑が、まさか死の悲しみを内包しとったんかということは知るよしもなかった。博子さんは君から生の歓びと同時に死の悲しみを贈られて、君は一人旅立った。因果な歌舞伎の前世物語みたいで、不憫でならない。〉
――横尾忠則(「朝日新聞」2022年4月9日付)
内容説明
「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました―」男は世界的な写真家。女は梨園の妻で、母親だった。「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人。これはまさしく「奇跡」なのである。作家の私は、博子から託された“奇跡の物語”を綴っていく。著者の三十八年ぶり書下ろし小説が文庫化。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業。’82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ベストセラーに。’86年『最終便に間に合えば/京都まで』で第94回直木賞を受賞。’95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、’98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞、’20年第68回菊池寛賞、’22年第4回野間出版文化賞を受賞。’18年には紫綬褒章を受章した。小説のみならず、「週刊文春」や「an・an」の長期連載エッセイでも変わらぬ人気を誇っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mariann
ゆう
Himiko
チョコミント
エフ