出版社内容情報
球場が数学テロ集団『黒い三角定規』にジャックされた! 黒い三角定規捜査班と浜村渚たちは、無理やり「リアル野球盤」をプレイする羽目に。もちろん、それはただの野球盤ではない。得点は数式によって導き出されるのだ――「log10.ルース・アーロンゲーム」
その他、浜村さんが大活躍の全4編を収録!講談社文庫書下ろし。
内容説明
「黒い三角定規」によって二人の警官が人質に取られた。救出のために浜村渚たちが乗り込んだ施設は、その名も「エッシャーランド」。だまし絵の世界が現実になったかのようなその場所には、トリックアートと数学が織りなす数多の罠が張り巡らされていた―仲間を救うために、渚の下した決断とは!?全4編。
著者等紹介
青柳碧人[アオヤギアイト]
1980年、千葉県生まれ。早稲田大学クイズ研究会出身。2009年『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
44
最初の物語で渚が言う「整数の性質に意味なんて求めませんよ。ただ、面白いから考えるんです」が、このシリーズで扱われる数学全てに通底する考えなのだ。「クッキーが左から順に(中略)だとしたら差は「1」です」の「差」に翻弄され、ずっと甘・中・苦に数を代入して苦悶してしまった。加法の公理から数の代入は意味をなさないのだな。エッシャーのだまし絵は好きだ。それがペンローズ・タイルという数学に落とし込まれることに驚いた。渚の数学に対する純粋さが、最後に武藤と瀬島を救った。あわや黒い三角定規に入らされる寸前の逆転劇だった。2025/01/31
ひさか
35
2024年11月講談社文庫刊。書き下ろし。シリーズ13作目。ルース・アーロンゲーム、クッキー,翌日サウナ、ねじれねじれて三角形、エッシャーランドでだまし絵を、の4つの連作短編。義務教育から数学が外された世界で、数学テロ組織「黒い三角定規」が起こす事件を解決する警視庁特別班とそれを助ける中学2年生という設定と数学愛に満ちた事件の内容がぶっ飛んでいて面白い。最新刊を読んでみたが、数学ネタ満載で楽しめる。2025/01/15
坂城 弥生
34
野球音痴なのに数学が絡むとメッチャ詳しい渚が相変わらずで素敵。2025/05/23
みかんめろん@RS
28
「検見川浜の浜に~」渚の自己紹介に千葉県民として笑った。今回は難しかったです。渚が警察に協力する理由が見えた気がします。ドクター・ピタゴラスと渚の直接対決?もあり。シリーズとしてはもう行き詰まっている感がある。そろそろ渚に数学の授業を受けさせてあげて欲しいな。それは本作の完結を意味しますが…中学の数学なら全部彼女の知ってることばかりだろうけとそれでも彼女は楽しく授業を受けられると思うなぁ。 星2つ★★2025/05/23
ちょぴん
20
ルース・アーロンペアって初めて聞きました。世の中の人は、数字から色んなことを考えるんだなと思いながら読み進めていきました。最後もルース・アーロンペアなんだろうと想像はつくんですが、8対9みたいな試合じゃないので、わけわかりません。でも、面白かったです。後はエッシャーですね。有名なだまし絵を題材にしてるので、読みやすく、無事読了です。2025/06/18