出版社内容情報
死が、かけがえのない生を輝かせる。
啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』
集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。
木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあったーー。
奇跡は、舞台で起きる!
内容説明
傷だらけの人間讃歌金子劇場。啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあった―。
著者等紹介
金子玲介[カネコレイスケ]
1993年神奈川県生まれ。慶應義塾大学卒業。「死んだ山田と教室」で第65回メフィスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
209
金子 玲介、3作目です。死んだシリーズ三部作完結?、今回はミステリ群像劇でした。少し飽きてきたかも知れません。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=00004032722024/12/03
hiace9000
150
『死んだ…』3作目。8年前に死んだ木村の死の真相を知るためにその日を再現上演?! 三部作で完結か否かはさておき、それぞれ全く異なる設定、また誰もが予想だにしない切り口、そして斬新すぎる表現手法でもって衝撃とともに読ませてしまう金子劇場。これは会話劇か、シナリオか、小説か。文字でしかない平面から匂い湧き立ち始める登場人物の表情やしぐさ、声や熱や感情。金子演出の特異な才能とセンスには舌を巻くしかない。通底するのは「死」から立ち上がる強烈な生への叫び、「生」にある絶望からの再起か…。拍手は未だ鳴りやまない。 2025/01/13
Kanonlicht
124
大学の卒業公演直前に自殺した木村の死の真相を探るため、劇研の同級生が現場となった合宿施設に集まり、事件当時の行動を自ら演じていく。日常で交わされるような会話をそのまま小説に落とし込むスタイルは今回も健在。掛け合いが抜群にうまいので、セリフだけで人物の性格や表情まで浮かんでくる。ただ、題材が題材だけに、大体のオチは予想がつくのでは。「死んだ」シリーズを3作読んできて、「とどまる死者、進み続ける生者」というのがテーマになっていると感じた。2024/11/20
☆よいこ
115
8年前大学の演劇研究会の合宿中、天才演出家の木村が自殺した。木村の妹の璃佳(りか)に呼び出され、当時一緒に合宿していた4人は同じ宿に集まる。売れない舞台俳優の庭田(にわた)、演技をやめ会社員になった井波(いば)、売れっ子芸能人の咲本(さくもと)、演劇団を主宰する演出家羽鳥(はとり)は、当時の合宿を再現して木村の自殺の原因を探る▽4人の告白が濃い過ぎて圧倒。記録もしていない8年前の会話がそんなに鮮明なんだとか途中でコントを疑ったが、ラストの終局で胸落。構成というか、本としての仕掛けが上手い。2024.11刊2025/01/21
yutaka
92
8年前になくなった木村の死の真相を演劇研究会の同期4人が探る物語。山田、石井に続き、本作も一気読みで、読む手が止まらなかった。演技と現実の垣根がよく判らなくなり、終わり方には賛否があるだろうけど、自分的には悪くなかった。2024/12/06