出版社内容情報
結婚して三十数年。共働きかつワンオペ育児を卒業し、節約を重ねて住宅ローンも返済完了。定年退職を迎えた霧島郁子がやっと手に入れた夢のセカンドライフは、夫の田舎へ移住したことをきっかけに音を立てて崩れていく。閉鎖的な地域社会、染み付いた男尊女卑――時代遅れな現実を前に打ちのめされる郁子だったが、ある日出会った銀髪の女性議員・市川ミサオの強烈な後押しで、なぜか市議会議員に立候補することに……!? この土地で生まれ育った落合由香も巻き込み、ミサオ(80代)、郁子(60代)、由香(30代)は世代をこえて「私たち」を取り巻く問題に立ち向かう!
内容説明
共働き&ワンオペ育児を経て、定年退職を迎えた霧島郁子。夫の田舎へ移住し悠々自適な生活を送るはずが、待っていたのは閉鎖的な地域社会のしがらみばかり。失意の郁子を救ったのは、老齢の女性市議・市川ミサオだった。彼女の後押しで市議会議員に立候補することになった郁子の運命は!?痛快選挙小説誕生!
著者等紹介
垣谷美雨[カキヤミウ]
2005年「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。誰もが直面する社会問題をユーモア溢れる筆致で描く作品が多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
布遊
34
こんな雰囲気の市議会、未だに沢山あるのかも知れない。世の中少しずつ変わってきたものの、未だに○○ハラ問題、いっぱいあるので・・クオーター制のことは知らなかったけれど、この制度が取り入れられると、世の中良くなるのだろうか?この本のような世の中がくればいいのに・・リタイアしてから夫の故郷に帰り、政治に関わるようになった主婦のお話でした。小気味よかった。2025/01/02
よっち
31
結婚して三十数年。共働きワンオペ育児を卒業し、ようやく定年退職を迎えた霧島郁子がセカンドライフとして夫の田舎へ移住したことをきっかけに状況が激変してゆく物語。直面する閉鎖的な地域社会で染み付いた男尊女卑など時代遅れな現実を前に打ちのめされる郁子が、銀髪の女性議員・市川ミサオの強烈な後押しで、なぜか市議会議員に立候補する展開で、言いたいことを言う彼女が直面する心無い言葉がなかなか衝撃的でしたけど、世代を超えた繋がりもできて、状況を変えるためにどうすればいいのか考え抜いて奮闘した結末はなかなか良かったですね。2024/09/14
ネロ
23
A+/女性視点から地方悪習と地方政治をテーマにメス。家父長制、封建的、男性社会、男尊女卑、セクハラ、介護、高齢化社会、老後、地方移住、政治と金、市長と議員の癒着、政治屋、消滅可能性自治体...。女性優位な視点・価値観となりがちなテーマだが、絶妙なバランス感覚だったと思う。ただクォーター制は現実むずかしいかな2024/12/16
Sakura
22
重たい本を読んで疲れてしまった時には垣谷さん。とは言え、なかなかハードな内容でした。共働き&ワンオペ育児を経て、定年退職した郁子。夫の田舎へ移住し、悠々自適な生活を送るはずが、なぜか市議会議員に立候補することに。閉鎖的な地域社会に男尊女卑は市議会。いやもうこんなの全国そこら中にあるんだろうなと思うとげんなりする。女性が活躍すべきなのは間違いないのに、なぜこんなにもハードルが高いのか。でもどんどん元気に動き始める女性たちに「そうだ、そうだ!」とエールを送りたくなりました。これは続きはないのかな?2025/03/24
ココロ
16
★★★☆ 現実だとなかなか本書のようにはすんなり行かない(と言っても本書でもかなり苦労しているが)とは思いながらも、こんな風にみんなが暮らしやすい世の中に変わっていったらいいのになぁと思ったし、「どうしたら暮らしやすくなるのか」を我が事として考えないといけないと思い知らされた。郁子を見ていると、老後をのんびり過ごすのは私も性に合わなさそう。 あと子育て世代の由香が、「自分がこの年になってがっつり政治の勉強をするなんて思わなかった」と言っているのが羨ましいなと思った。私も政治とかを真剣に勉強してみたい。2025/03/29