講談社学術文庫<br> 仕事

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講談社学術文庫
仕事

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  • サイズ 文庫判/ページ数 192p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065367155
  • NDC分類 366
  • Cコード C0110

出版社内容情報

南太平洋のマエンゲ族の一日当たりの平均労働時間は四時間だという。古代ギリシアにおいて多忙は倫理的悪であり、中世の修道士にとって労働とは神から課された罰であった。
しかし近代になると、労働の価値に大逆転が生じる。「労働の尊厳」が高らかに謳われ、経済のみならず政治・文化を含むありとあらゆる活動が労働化する、完全な意味での労働社会が人類史上初めて誕生する。
この逆転はいかにして、なぜ起こったのか。古代から中世を経て近代にいたる労働観の変遷をコンパクトに描き出し、現在の労働中心主義は決して当たり前のものでもなければ、長い歴史に裏打ちされたものでもないことをあざやかに浮かび上がらせる。
人は生産労働なしに生きることはできない。しかし労働に従事するかぎり人間は自由になることはない。この相克を超えて、本当の意味で「労働から解放」されることは可能なのか――。
労働の価値が再び大転換しつつある今こそ必読の労働論!

かつて多忙は悪であり、余暇こそが自由人の本性にふさわしいとされた。しかし、近代においては資本主義も社会主義も等しく「労働はすばらしい」、「労働は人間を成長させる」と労働の尊厳を謳う。
労働が近代を創造したのであり、労働なしに近代は理解できない。そして、あらゆる人間が精神的にも物質的にも「労働する」社会、当事者が精神的・物質的活動を「労働」として表象する社会は、すなわちあらゆる人間が「奴隷となる」社会である。もし古代人が近代社会を見たら、最悪の社会の到来と仰天するだろう。
非西欧社会、古代、中世の労働観の変遷を踏まえたうえで、ベンジャミン・フランクリンやウェーバー、サン=シモン、コント、マルクス、アレント、ヴェイユなど主要な労働思想を参照しながら、近代的労働観の成立過程を明瞭簡潔に描き出し、我々が当然のものと刷り込まれてきた労働中心主義を見事に解体していく。
人間は労働に従事する限り自由にはなれず、しかし労働なしでは生きていくことができない。そうだとすれば、本当の意味での「労働からの解放」はいかにして可能になるのか。人類と働くことの関係を根底から問い直す、骨太の労働論にして近代論。(原本:『仕事』弘文堂、1988年)

【本書の内容】
はしがき
第一章 未開社会の労働観
第二章 古代ギリシアの労働観
第三章 西欧中世の労働観
第四章 近代の労働観
第五章 労働の批判的省察

解説(鷲田清一)

内容説明

古代ギリシアでは多忙は倫理的悪であり、中世の修道士にとって労働とは神から課された罰であった。しかし近代になると働くことの尊さが謳われるようになる。この大転換は、なぜ、いかにして起きたのか。人類の労働観の変遷をコンパクトに描き、労働中心主義を鮮やかに解体する。再び労働の価値が揺らぎつつある今、必読の仕事論!

目次

第1章 未開社会の労働観(未開の「労働」―近代労働との差異;未開労働研究の方向 ほか)
第2章 古代ギリシアの労働観(神話の労働観;農業労働観 ほか)
第3章 西欧中世の労働観(初期中世;労働の地位の上昇 ほか)
第4章 近代の労働観(プロテスタンティズムの労働観;市場経済と労働観 ほか)
第5章 労働の批判的省察(労働観における古代と近代;「労働の解放」と「労働からの解放」 ほか)

著者等紹介

今村仁司[イマムラヒトシ]
1942‐2007年。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。元東京経済大学教授。専門は社会思想史、社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ex libris 毒餃子

15
「労働」がいやいやでしょうがないんですよ。2025年は頑張ろうと思いまして、今村仁司先生の力を借りようと思いました。カトリックからプロテスタントへの移行が起きたのはキリスト教的職業観と経済発展の乖離から「労働」観も変わる必要があったからだと思いました。2025/01/01

アメヲトコ

7
1988年単行本刊、2024年8月文庫化。学生時代に恩師から借りて以来の再読。未開社会から古代ギリシア、西欧中世、近代までの労働観の変遷を追い、労働の近代性を批判的に問う内容です。本書が出されたのはバブルの只中でしたが、経済状況は変わっても本書の問題提起は今も意義を失っていないように思います。内容のキーワードは一貫して労働なのですが、なぜ表題が「仕事」なのかは本書を最後まで読むと分かります。2024/12/27

なをみん

1
「そもそも労働は根本的に奴隷的だ」と大昔的歴史的に遡って学術的に語られると、なるほど確かにそうなのだろうとも思うので、たまにはこうやってそもそもの話で少し頭を冷やすことも必要かもしれない。本書的には根本的な解決にはならないらしいけど、個人的にはフリードマン的「余暇」に可能性を求めて、図書館、美術館、コンサート、芝居、芸術映画等々「教育用の公共部門の増加」で、労働のことにはあまり考えずに暮らしたい主義なのだけど。2025/02/21

スナットスナギツネ

0
面白い2024/12/04

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