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出版社内容情報
世界でも珍しい新たな火山島の出現は、島を知り地球を知る研究材料の宝庫。小笠原諸島で2013年、旧西之島沖の噴火によりできた島はどんどん大きくなり、旧西之島をのみこみ成長中であることがニュース映像などで紹介された。島ができていく過程を見られる貴重な場所として、様々な分野の研究者からも注目されている。本書では、西之島をはじめ多くの島の上陸調査も行ってきた著者が、できたての島でなくては見ることのできないこと、そこからわかる地球のダイナミズム、今後西之島はどのように変化していく可能性があるのか、などを解説する。また、西之島以外の国内外の特徴的な島について噴火や成長の過程での地質現象についても紹介する。
前半では島の誕生から成長までにどういう現象が起こっているのかを中心に、後半では島の成熟から崩壊などの過程を中心にさまざまな島の事例をあげながら話を進めていく。
内容説明
アクセス困難な島にも上陸調査!西之島ほか島形成の地質現象に迫る。多様ななりたちの島々は地球を知る格好の場所。そこには、火山噴火の爪痕があり、溶岩流、噴煙、火砕流、岩屑なだれ、津波、カルデラ崩壊といった激しいプロセスがあった。誕生を目撃した西之島、大量の軽石が漂流した福徳岡ノ場、全欧で航空機のキャンセルが相次いだアイスランドの火山噴火、日本にも津波が到達し地球規模の影響を生じたトンガの噴火、などトピックの科学的解明にも挑む。
目次
第1部 島の誕生から成長へ~「若い島」では何が起こっているのか(目のあたりにした火山島の誕生―西之島ができていくプロセスを目撃できる幸運;成長し続ける火山島―西之島の噴出したての岩石から見えてきたもの;海底火山の爆発的噴火―派手な噴火と短命な島だった福徳岡ノ場;薩摩鬼界ヶ島沖に出現した新島―人が住む場所近くの海域噴火に目を向ける;何が火山噴火の様式を決めているのか;噴火による破壊と創造―地球規模の影響を及ぼすクラカタウの大噴火;古代文明滅亡の謎を秘めたエーゲ海の火山島―サントーニ;巨大化した火山島「西之島」―マグマの変化で噴火様式が激変;溶岩流・噴煙・火砕流―火山の成長を支える、多様な表面現象)
第2部 島の成熟から崩壊へ~「変化し続ける島」を探る(街を丸ごと飲み込んでしまう火山灰―活動を続けるモンセラート;江戸時代の山体崩壊と大津波の痕跡―日本海に浮かぶ絶海の孤島「渡島大島」;噴火で再び無人島に―戦争から立ち直った小島、アナタハンの災禍;海域火山の密集地帯で何が起きているのか―北マリアナ諸島;岩屑なだれ・津波・カルデラ崩壊―火山噴火が生み出す破壊的な表面現象)
著者等紹介
前野深[マエノフカシ]
1978年、東京都生まれ。東京大学地震研究所准教授。2006年、東北大学大学院理学研究科地学専攻博士課程修了。博士(理学)。東京大学地震研究所助教、日本学術振興会海外特別研究員(英国ブリストル大学客員研究員)などを経て2017年より現職。専門は火山学。火山の地質や物質の情報にもとづき、火山噴火に伴う諸現象や堆積物形成のプロセス、噴火様式や推移の多様性の原因、噴火履歴を明らかにする研究を進めている。2016年には御嶽山噴火(2014年)の噴火過程を詳細に明らかにした研究で日本火山学会論文賞を受賞。2016年と2019年には西之島で上陸調査を実施している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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