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出版社内容情報
一生忘れたくない一週間――金色に輝く髪の少女と出会い、そして最期を見届けたひと夏の記憶。青春ミステリーの名手が贈る最新作!
中学三年の夏休み。初花晴は脚の負傷で大好きなバスケットボールを遠ざけ、
地方にある祖父母の家に兄とともに滞在している。
祖母ハルの勧めで、近くの山にある祠に兄とお参りに出かけると、その道中、
森の中に広がる池の前にしゃがみ込む、華奢な金髪の少女と出会う。
無表情で「自分の名前を知らない」「死にたい」とつぶやく少女を晴は説得。
一週間だけ生きてみることにした少女をセミちゃんと名付けて友達になろうとする。
しかし、セミちゃんの姿をを見ることができるのは晴だけで、兄らはまったく見えないという。
記憶がまったくないようすのセミちゃんを放っておけない晴は、
祖父母の家に招いて一緒に暮らし、寄り添うことにするが――!?
内容説明
中学三年の夏休み。初花晴は脚の負傷で大好きなバスケットボールを遠ざけ、地方にある祖父母の家に兄とともに滞在している。祖母ハルの勧めで、近くの山にある祠に兄とお参りに出かけると、その道中、森の中に広がる池の前にしゃがみ込む、華奢な金髪の少女と出会う。無表情で「自分の名前を知らない」「死にたい」とつぶやく少女を晴は説得。一週間だけ生きてみることにした少女をセミちゃんと名付けて友達になろうとする。しかし、セミちゃんの姿を見ることができるのは晴だけで、兄たちはまったく見えないという。記憶がまるでないようすのセミちゃんを放っておけない晴は、祖父母の家に招いて一緒に暮らし、寄り添うことにするが―!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
41
作者さんの前作が良かったので手に取りましたが、今作も面白かったですね。ただ、展開が唐突すぎて前作ほど「そういうことか!」という納得感は薄めかな。とは言え記憶の中に生き続けるとはまさにこのこと。セミと過ごした一週間と現実を受け止めて前に進もうとする晴の姿には勇気を貰えること間違いなし。良き読了感でした。 2024/08/18
よっち
27
中学三年の夏休み。脚の負傷で大好きなバスケットボールを遠ざけ、地方にある祖父母の家に兄とともに滞在する初花晴。彼女が華奢な金髪の少女セミと出会う青春小説。祖母の勧めで祠にお参りに行った道中で出会った、池の前で絶望していた晴だけしか見えない少女セミ。記憶を失った少女を放っておけず、一緒に暮らしながらその孤独に寄り添う晴。一方で晴が祖母の家に滞在している何とも切ない理由も明らかになってゆく展開でしたけど、共に過ごしたその日々が彼女に勇気を与えて、過去に向き合い乗り越えてゆくその結末には確かな希望がありました。2024/07/31
わたー
22
★★★★★面白かったのだが、ネタバレ無しで面白さを伝えきるのが難しい作品だったなと。とある事情によりバスケを諦めた主人公が、山で死にたがりの少女と出会う。名前も覚えていない彼女を「セミちゃん」と名付けるも、彼女が見えているのは主人公だけのようで…と始まる現代伝奇モノ。ミステリ要素を多分に含んだ作品で、序盤から違和感を感じる描写がしばしば。その違和感が決して読みにくさに繋がるというわけではなく、次第に現実と非現実の境界線が曖昧になっていくような不可思議な感覚を覚えた。そしてそれらの違和感が一つに収束しながら2024/09/08
サキイカスルメ
18
面白かった!事故の怪我でバスケから遠のいていた主人公が、おばあちゃん家の近くの湖で不思議な女の子と出会い過ごす1週間のお話。後悔と再生なのかなと思っていたら、もっと重たい真実がでてきたのは驚きました。語りたい部分がネタバレになる作品なんだよなぁ…。わたしは、この作品あの最後まで描ききられていたのがとても好きでしたね。美しい切なさも良いですが、それだけでは終わらない温かさを感じました。愛され支えられていることに気づいた彼女のひと夏の成長が眩しかったです。2024/08/14
なみ
16
中学3年生の初花晴は、祖父母の家の近くで金髪の少女と出会う。 1週間だけ生きてみることにした彼女にセミちゃんという名前をつけて友達になるが、彼女の姿を見ることができるのは晴だけで──。 晴がバスケから離れていた理由や、セミちゃんの正体など、様々な謎が明かされるたびに、今まで読んでいた世界がまったく違ったものに見えるようになります。 そして何より、物語の終盤。色々なことが綺麗にまとまった……と油断していた読者への一撃が非常に痛快でした。2024/12/14