出版社内容情報
百鬼夜行シリーズ新作長編!
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。
発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。
内容説明
「父を殺したのです」メイドの告白を受けた作家。「あの人を捜してください」依頼を受けた探偵。「死体が三つ消えちまった」事件を追う刑事…。それぞれが謎を追い求めるうち、導かれるように日光に集結する。縺れ合うキメラのごとき“化け物の幽霊”を京極堂は祓えるのか。シリーズ最新作。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年北海道生まれ。’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、’16年遠野文化賞、’19年埼玉文化賞、’22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
文庫で再読です。謎が謎を生み出していくのが見事だと思いました。秋彦さんの憑物落としで全てが明らかになる手法に引き込まれるのは相変わらずで、長い物語の骨格を上手く明らかにしていると感じました。もつれあう「化け物」が綺麗に解ける瞬間が好きです。2024/10/22
ミエル
26
マニアなので2周目の「鵺の碑」は電子書籍で読了。最終章の憑き物落としにすべてが詰まっている構成はいつもながらお見事、ここだけ読めば作品の骨格がわかるというのは読み返しにも便利なのよね。今回はあとがきの熱い解説を読みながら、あらためて本作の構造の妙を目次ページで確認するのが楽しかった。美しいレイヤーと言葉遊び、構築の緻密さとこだわりが素晴らしい。さすがデザイナーというよりもアーティスト。アーティストなんて軽すぎる言葉で称賛するのは不本意だけど、語彙が拙い私にはこれしか言えない笑 2024/10/21
マッちゃま
17
機械(コンピューター)はデータを入力すると直ぐ引き出せるけどバグるとデータが消えたり引き出せなくなる。人間はデータを覚えても直ぐ忘れたりもするが、思い出す事もある。そう「あれっ?」と感じたワードも、魅力的な謎と展開に押し流されて読み進めてしまい、後半になって「もしや?」と思い出せばトンでもな展開でした。世に不思議なし世は不思議なり…いやはや御見逸れしました。感無量で御座いました。あぁ~こう来たか!そりゃヤラれるわでした。何の事かと思われた方は京極氏のシリーズ系の本を読み漁ってみてちょ~よ。う~ん満腹満足。2024/10/26
モルワイデ鮒
15
蛇の虎の貍の猨の化け物の幽霊。関口と木場が京極化してきている。榎木津は榎木津が悪化している。京極は自分の仕事してたのになんで全部わかるのかもう全くポカンとするだけ。廃仏毀釈とかのくだりは今ひとつ夢中になれなかった。最終章誰の憑き物を落とすのか意外。頑張って山頂にたどり着いたらさらに厄介な宿題背負わされて腹一杯の向こう側。蛇から順番に一匹ずつやっつけてから次にいったら理解しやすいのかどうなのか。2025/01/03
南無猫mmtrk
14
京極堂シリーズここまで読み終えた達成感と次回作が、待ち遠しい気持ちでいっぱいです。日光に行きたくなりました。2024/12/26