出版社内容情報
あの転校生の辻アキトだ。
ジャンパーにジーンズの辻さんは電柱のうしろにかくれるようにして、お寺をじっと見つめていた。
道をへだてたところにいるあたしには気づいていないようすだ。
しんせきの集まりできたのだろうか。いや、それならば同じように黒い服を着るだろうし、かくれてながめる必要はない。
めずらしいのか。
おそうしきや法事といった風習が、前に住んでいた町とはちがっていいて、何かよほどきょうみをひかれるところがあるのだろうか。
まったく周囲に注意をはらっていないほどの真剣さが不思議だった。(本文より)
あらすじーー「うっかり自分の考えを言わないのがせいかいなのだ」と思いつつ、そんな自分を少しみみっちい性格だと思っている美海は、正直になんでも言いすぎて「性格が悪い」とクラスメートから言われている隣のクラスに転校してきた辻アキトと仲良くなる。
アキトは別に悪い子ではなく、少し変わっているだけだと思っていた美海だが、
やがてアキトがお寺だのおそうしきだの、不吉な場所にばかり興味を持ったりお年寄りに厳しい様子を何度か見てしまい胸がざわざわしてくる。
内容説明
「そのときに、あいつ、車いすのおばあさんにむかって、そろそろですか、っていったんだよ」「そろそろって?」「そろそろ天国に行くんですかって」
著者等紹介
安東みきえ[アンドウミキエ]
1953年、山梨県生まれ。「ふゆのひだまり」で第11回小さな童話大賞(毎日新聞社主催)、「いただきます」で同選者賞今江祥智賞、『天のシーソー』で第11回椋鳩十児童文学賞、『満月の娘たち』で第56回野間児童文芸賞を受賞。『夜叉神川』が第62回日本児童文学者協会賞を受賞し、2024年IBBYオナーリストに選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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