講談社学術文庫<br> 近代日本の陽明学

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講談社学術文庫
近代日本の陽明学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065352144
  • NDC分類 121.55
  • Cコード C0112

出版社内容情報

◇暴走する独善的正義 その思想的起源を暴く!◇

善意に基づく使命感。時としてテロリズムへと人を導いてしまう心性は、陽明学と水戸学が交錯しながらこの国の精神に組み込まれたものであった。
大塩平八郎にはじまり、井上哲次郎、三宅雪嶺、新渡戸稲造、そして山川菊栄と三島由紀夫へと至る系譜をたどりながら、日本の近代特有の屈折を読み解かんとする、新鮮にして驚くべき視点による思想史探究。

スマッシュヒットとなった選書メチエ版に、近代日本における朱子学・陽明学というより俯瞰的な視野による「増補」を加え待望の再刊なる!

【本書の内容】
学術文庫版序文
プロローグ―靖国「参観」の記
エピソードI 大塩中斎―やむにやまれぬ反乱者
 1 「乱」と呼ばれて
 2 陽明学ゆえの蜂起?
 3 知己頼山陽
エピソードII 国体論の誕生―水戸から長州へ
 1 藤田三代の功罪
 2 『大日本史』の編集方針
 3 自己陶酔する吉田松陰
エピソードIII 御一新のあと―敗者たちの陽明学
 1 陽明学を宮中に入れた男
 2 陽明学を普遍化させた男
 3 陽明学をキリスト教にした男
エピソードIV 帝国を支えるもの―カント・武士道・陽明学
 1 明治のカント漬け
 2 武士道の顕彰
 3 陽明学の復権
 4 白い陽明学、赤い陽明学
エピソードV 日本精神―観念の暴走
 1 ある国家社会主義者のこと
 2 西洋思想で説く東洋の革命
 3 碩学か幇間か
エピソードVI 闘う女、散る男―水戸の残照
 1 水戸の血と死への美学
 2 「青山菊栄」の戦後
 3 「その日」まで 
 4 その日 
 5 アポロンが演じたディオニュソス 
 6 それから 
エピローグ 
増補
 I 近代における朱子学・陽明学
 II 亘理章三郎と西田幾多郎の陽明学発掘作業
 III 中江兆民の自由論
 IV 渋沢栄一の自由論
主要参考文献 
あとがき 
主要登場人物略伝 
本書関連年表 
索引

*本書の原本は、2006年に講談社選書メチエより刊行されました。

内容説明

善意に基づく使命感。時としてテロリズムへと人を導いてしまう心性は、陽明学と水戸学が交錯しながらこの国の精神に組み込まれたものであった。大塩平八郎にはじまり、井上哲次郎、三宅雪嶺、新渡戸稲造、そして山川菊栄と三島由紀夫へと至る系譜をたどりながら、日本の近代特有の屈折を読み解かんとする、新鮮にして驚くべき視点による思想史探究。

目次

プロローグ 靖国「参観」の記
エピソード1 大塩中斎―やむにやまれぬ反乱者
エピソード2 国体論の誕生―水戸から長州へ
エピソード3 御一新のあと―敗者たちの陽明学
エピソード4 帝国を支えるもの―カント・武士道・陽明学
エピソード5 日本精神―観念の暴走
エピソード6 闘う女、散る男―水戸の残照

著者等紹介

小島毅[コジマツヨシ]
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

13
文庫化を機に三回目の読書。大塩平八郎から三島由紀夫まで近代日本の陽明学徒の系譜を辿る。増補部分は中江兆民や西田幾多郎、渋沢栄一など本書の内容と関係する人物と朱子学・陽明学との関わりについて。西洋の概念の訳語としての「自由」が『論語』顔淵篇の「克己復礼」の章に見える「己に由る」という言葉と同義語であるという指摘が面白い。著者は儒教との関係でしか議論していないが、これは当然近代日本の漢文脈の話にもなってくるだろう。2024/03/18

qwer0987

12
陽明学を一言で表すならば、心即理となる。良知に従って誠実に生きていく実行主義の精神であり、ゆえに陽明学者たちの行動はそれぞれ異なっている。良知の基準が各々で異なっているからだ。そして彼らの行動は善意からスタートしているだけに時に悲劇を生む。大塩中斎、水戸学派、吉田松陰、三島由紀夫と善意に基づき実行して破滅に至る。観念論的な思考は暴発と親和性が高いのかもしれない。内村鑑三らのように健全な方向に結びつくこともあるが、状況次第では極めて危うい。そしてそれが靖国問題と深いところで結びついていて考えさせられた2024/09/04

無重力蜜柑

7
評価の難しい本だ。思想史は思想の内的な連なりを記述して初めて「思想」の「歴史」たり得ると思う。その意味では本書は思想史として半端である。各「思想家」の思想の内実をあまり取り上げず、彼らの来歴や社会的背景ばかりを掘り下げているからだ。これでは肝心の思想が描けないばかりか、彼らを取り上げた意味自体がよく分からない。しかし、これは筆者の指摘する陽明学の性格によるものだ。曰く「党派意識があまりな」く「学閥を作ら」ず、「他者や外界」ではなく自分の「心の自然なはたらき」に倫理道徳の基準を求める。2024/05/10

しゅー

6
★★★浅田すぐるが本書とは別の陽明学の本を推薦していた。興味を持って書店で手に取るも、色々と違和感を感じるところがあって購入には至らなかった。他になにか良い本はないかと物色していて新刊の棚で本書と出会う。陽明学そのものの入門書ではなく、日本の近代史で陽明学、もしくは陽明学的な思想がどんな役割を果たしたかを解説する本である。語り口にクセがあったり、冒頭に政治的な話題が登場するなど、少しぎょっとする部分もあるが、日本政治思想史の一つの切り口として興味深く読めた。動機が美しければテロが肯定されかねない危うさよ。2024/05/01

zunzun

6
日本の陽明学に絞って書かれた本、いやさきは大塩平八郎の乱からはじまり、いやはては三島由紀夫で終わる。小島は陽明学を朱子学の一派といい、朱子学のような体系的な理論があるわけではなく、朱熹の考えに反した人々が辿り着く場所が陽明学だという。それゆえ、ずばり陽明学の影響を被ったといいづらいのが本書の特徴である。しかし、王陽明がいうところの「良知」=「自分の信ずる道をいくこと」がもたらす帰結は、テロへの道であった。本人だけが何かを正しいとおもうなら、それへ突き進み行動せよという教えは近代日本人を象徴している。2024/04/29

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