出版社内容情報
世界の南のはずれ、蛇神の抜け殻から生まれた島々。
領主は「海神の娘」を娶り、加護を受けていた。
沙来の天才楽師・忌は海から聞こえる音色に心奪われ、
滅びの曲と知らずに奏でてしまう。
隣国・沙文と戦を重ねていた沙来は領主を失い、
「海神の娘」累が産んだ男児は「敵国・沙文の次の領主となる」と託宣を受ける。
自らの運命を知り、懸命に生きる若き領主と神の娘の婚姻譚。
内容説明
世界の南のはずれ、蛇神の抜け殻から生まれた島々。領主は「海神の娘」を娶り、加護を受けていた。沙来の天才楽師・忌は海から聞こえる音色に心奪われ、滅びの曲と知らずに奏でてしまう。隣国・沙文と戦を重ねていた沙来は領主を失い、「海神の娘」累が産んだ男児は「敵国・沙文の次の領主となる」と託宣を受ける。自らの運命を知り、懸命に生きる若き領主と神の娘の婚姻譚。
著者等紹介
白川紺子[シラカワコウコ]
三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編小説新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
66
2024年5月講談社タイガ文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。禍殃一曲、黄金のうたかた、海棠の花の下、鈍色に輝く、柳緑花紅、の5つの連作短編。前作とはやや趣が異なり、辛辣で救いのない話が続き、悲しい。祈るしかない。展開に少し迷い感あります。2024/06/30
hirune
52
金の採れる隣り合った二つの島、互いに好戦的で昔から些細な原因で戦争を繰り返してきた。しかし海神の怒りに触れ沙来は人の住めない状態になり沙文で仇同士が一緒に暮らすことに。戦さで身内を亡くしたのはお互い様で相手ばかりを責めるのも間違っているが人の感情は正論では収まらないもの。難しい問題が山積みの中悩みつつ領主と海神の娘と周辺の人々。本当にしんどいね。2024/11/15
はなりん
37
海神の娘が領主に嫁ぐ決まりがある島々。沙来と沙文は何かにつけ争い、戦が続いていた。沙来の領主の後継由が生まれた時、沙文の領主になるとの託宣が下りる。戦が続く中、ついに海神の怒りか双方の島や領主達は雷に打たれ、託宣通り由が沙文の領主となる。由を中心とした、周りの人達の短編連作の物語。そして海神と巫女の関係。どれもなんだか、もの哀しい。2024/07/06
よっち
34
かつて「沙来」と「沙文」の二つの国だったという最東端の沙文。沙来の天才楽師・忌は海から聞こえる音色に心奪われ、滅びの曲と知らずに奏でてしまう第3弾。隣国・沙文と戦を重ねていた沙来は領主を失い、彼と時の海神の娘・累が産んだ男児は敵国・沙文の次の領主となると託宣を受ける皮肉。滅びの曲の美しい歌に魅せられてもう一度聴いてみたいと思った海神の戯れに翻弄される両国に住む人々や、自らの運命を知り葛藤を抱えながら懸命に生きる若き領主と神の娘たちがいて、積み重ねてきた因縁とわだかまりを乗り越えようとする姿が印象的でした。2024/05/15
りー
29
シリーズ2冊目。今回は、沙文と沙来という戦の絶えない2つの島が舞台。後半は永き戦でいがみ合ってきた2つの島の人々が共に生きる道を探る物語になっていた。私は前半の笛吹の話が心に残った。そういえば、幼い頃は祖母に「夜に笛を吹くと神様が来てしまうよ」と言われたなぁと思い出して。来てしまうよ、ということは、神は歓迎するものではないのだ。人にとっての良し悪しなど、神々にとっては視野の外なのだということをこの言葉は示唆していて、それはこの物語にも共通していると思う。そろそろ霊子様の物語も読んでみたい。2024/05/19
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