出版社内容情報
飛び散る骨、舞い上がる車、迫りくる刺客
「もう、たくさんだ」
美しき男たちが血で描く”愛の神話”
伝説の殺し屋・和尚に拾われ、自らも殺し屋となった青年・雨乞。
和尚への服従を誓う雨乞だが、唯一誰にも打ち明けていない隠し事があった。
それは、小説を書くこと。
初夏のある日、駐在警官・藪池清を始末する命を受け、瀬戸内海の小島へと向かった雨乞は、小さな違和感を抱く。
依頼人の正体は?この男を殺す目的は?なぜこの場所で?
雨乞は真相を探るため、24時間の猶予を貰った。
人生を変える1日が始まるーー。
内容説明
伝説の殺し屋・和尚に拾われ、自らも殺し屋となった青年・雨乞。和尚への服従を誓う雨乞だが、唯一誰にも打ち明けていない隠し事があった。それは、小説を書くこと。盛夏のある日、駐在警官・薮池清を始末する命を受け、瀬戸内海の小島へと向かった雨乞は、小さな違和感を抱く。依頼人の正体は?この男を殺す目的は?なぜこの場所で?雨乞は真相を探るため、24時間の猶予を貰った。人生を変える1日が始まる―。
著者等紹介
岡崎隼人[オカザキハヤト]
1985年生まれ。『少女は踊る暗い腹の中踊る』で第34回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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夢追人009
231
メフィスト賞受賞作家の17年振りの新作との事でハードバイオレンスな中に優しい心を感じ取れる異端派の殺し屋小説ですね。主人公の雨乞は幼少時から謎の男・和尚に育てられた殺し屋の青年で推理小説を読んで一作家に夢中になり自分でも書こうとするが何かが足りないと自覚する中で依頼された瀬戸内の巡査の殺害へと赴くのだが…。著者は残酷描写を書きながらも正義の心を忘れず読者を必ず満足させてくれます。あまりにも完全無欠な超人が描かれますが私は不満ではなく著者の描くアクションに酔い痴れまして痺れましたね。#NetGalleyJP2024/07/30
aquamarine
66
伝説の殺し屋・和尚に拾われ、殺し屋として育てられた雨乞。瀬戸内海の小島で殺人を行う予定が、ターゲットの藪池を拉致したあと思わぬ方向に歯車が回り出す…。彼はある作家の小説を読み込み、自分で紙の余白に書き連ねることもある。彼の書き上げたものに彼自身が見えたようで、思わず背筋が寒くなった。そんなマシンだった彼が自分の意思で動き出す。血みどろの攻防の隙間に現れる、殺人事件の真相、過去の依頼、雨乞自身の過去…。映像で見えるような真っ赤なシーンを、息を止めるようにして一気に読んだ。小説って凄いのだ。面白かった!2024/04/22
ゆのん
61
プロの殺し屋『雨乞』は任務の為にターゲットである警察官を拉致する。普段から他人と全く接触しない彼の知っている人がターゲットだった事から物語は思わぬ方向へと転がり始める。幼少期に拾われ殺し屋として育てたれた雨乞。心を殺している為に無感情の様子から、ある『小説』を通して感情を取り戻してゆく過程がとても良かった。ハラハラする戦闘シーンでは若干のグロ描写もあり、会話ではクスリと笑えるやりとりもあってかなり楽しめた。『殺し屋』というワードに飛びつく習性の私だが、もっと雨乞の物語を読みたい程に面白かった。2024/04/17
雪紫
54
小説を書くのが唯一の趣味な殺し屋は依頼人の子供の仇を取ろうとしていた・・・が、その標的は大好きな作家で、無実らしいことが判明、狙われる彼を救うため真犯人を見付けようとするが・・・(※ノワール物です)。エグい描写もあるが心が死んだと思う雨乞が推し作家な椿さんとの交流、「小説」への想いが出て来るにつれ小説で自らの書いた小説への疑問や愛、想いに引き寄せられる。心を取り戻していくにつれ、殺し屋達との会話で感情が浮かんだり、守りたい想いとファン心理が抑えられない雨乞くんはエモい。2024/10/16
おうち時間
45
伝説の殺し屋である和尚に拾われ育てられ、殺し屋としてのスキルを身に着けた青年雨乞。彼が次に殺すように命令されたのはある女性を殺した疑いを持たれてる駐在所の警官薮池清。ところが、この警官こそが雨乞が秘かに小説を書くきっかけとなった小説家の椿依代であることが判明。雨乞は女性を殺した犯人は他にいると真犯人を探そうとするのだけど…。ここから殺し屋がたくさん登場。みんな強靭な肉体と運動能力でハラハラドキドキ。最後に生き残るのは誰?目まぐるしい展開の中にも雨乞が心を取り戻せたのが良かった。映像作品になっても面白そう。2024/04/04