出版社内容情報
第170回芥川龍之介賞候補作。
いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。
ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。
――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。
”女がいますぐ剥ぎ取りたいと思っているものといえば、それは〈人間の女の皮〉にちがいなかった。女は人間の〈ふり〉をして、ガラスの向こう側にたっている”
”女とシネノは同じだった。シネノのほうはそのふるまいこそ完璧ではあったけれど、それでも猿の〈ふり〉をして、あるいは猿の〈姿をとって〉、こちら側にいる”
ねえ、なにもかもがいやなかんじなんでしょう。ちがう?
内容説明
ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビの中に「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ向かう。言葉を機械学習させられた類人猿ボノボの“シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく―“わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。第170回芥川賞候補作。
著者等紹介
小砂川チト[コサガワチト]
1990年岩手県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。2022年、「家庭用安心坑夫」で第65回群像新人文学賞を受賞、同作が第167回芥川賞候補作となり、単行本も刊行されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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