レディ・ムラサキのティーパーティ―らせん訳「源氏物語」

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レディ・ムラサキのティーパーティ―らせん訳「源氏物語」

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065345955
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0095

出版社内容情報

源氏物語はなぜ「世界文学」になったのか?千年前に紫式部が書き、百年前にアーサー・ウェイリーが英訳した「源氏物語」を現代日本語に再翻訳した著者が、時空を超えた物語の秘密と魅力を解きあかす。

高橋源一郎氏、推薦!
文学史に残る偉業、らせん訳「源氏物語」には、翻訳者姉妹による、もう一つの輝く「らせん」が埋めこまれていたのだ。
 
レディ・ムラサキとは、一体だれなのか?1925年、アーサー・ウェイリーによる初の英語版が刊行されて以来、世界各国に翻訳された「源氏物語」は、時代を超え国境を越え、中国古典からギリシャ・ローマ神話、聖書、シェイクスピア、プルーストやウルフらモダニズム文学、そして現代まで――。数多の異言語・異文化の波を潜り、「世界文学」として新たに生まれ変わった。千年前の古典原文、百年前の英語、現代日本語を往還しながら、『源氏物語』の〈らせん訳〉=トランスクリエーションを成し遂げた著者による、発見の喜びにみちた評論エッセイ!

内容説明

レディ・ムラサキとは、一体だれなのか?1925年、アーサー・ウェイリーによる初の英語版が刊行されて以来、世界各国に翻訳された「源氏物語」は、時代を超え国境を越え、中国古典からギリシャ・ローマ神話、聖書、シェイクスピア、プルーストやウルフらモダニズム文学、そして現代まで―数多の異言語・異文化の波を潜り、「世界文学」として新たに生まれ変わった。千年前の古典原文、百年前の英語、現代日本語を往還しながら、「源氏物語」の“らせん訳”=トランスクリエーションを成し遂げた著者による、発見の喜びにみちた評論エッセイ!だれもが招かれているのよ、紫式部の宴に。

目次

第1章 アーサー・ウェイリーとはだれか、『ザ・テイル・オブ・ゲンジ』とはなにか
第2章 時空を超え“戻し訳”から“らせん訳”へ
第3章 シャイニング・プリンス・ゲンジ現る
第4章 青の部屋でのめぐり合い
第5章 木霊するシェイクスピア
第6章 末摘花の「まぼろしの王国」
第7章 深い森で待つサフラン姫
第8章 「あはれ」からメランコリーへ
第9章 失われた「鈴虫」を求めて
第10章 源氏物語再創造―二次創作、補作、アダプテーション
第11章 ウェイリー源氏、神秘の扉を開く
第12章 歓待するレディ・ムラサキの“らせん訳”

著者等紹介

毬矢まりえ[マリヤマリエ]
俳人、評論家。アメリカのサン・ドメニコ・スクール卒業。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業、同博士課程前期中退。妹の森山恵とともにアーサー・ウェイリー訳The Tale of Genjiを現代日本語に訳し戻した『源氏物語 A・ウェイリー版』全4巻(左右社)で「ドナルド・キーン特別賞」受賞

森山恵[モリヤマメグミ]
詩人、翻訳家。聖心女子大学英語英文学科卒業、同大学院文学研究科英文学専攻修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

98
英訳版『源氏物語』を日本語に戻し訳した著者(姉妹)のエッセイ。ウェイリー版への敬意と翻訳への熱量を感じた。苦労もあったようだが、物語の世界観の拡がりを語る愉しさに溢れていたと思う。平安朝の物語が20世紀初頭の異国のモダニズムの感性に浸り、今、新たな目線を想起させる和文として表現される。まるで異国人の心持ちで外側から母語の古典に触れる面白味。情景や人物関係も原初的な観点で解像度がより高まったり、時も場も関係ない普遍的な深みをより感じることがあるはず。シャイニング・プリンスと呼ばれる源氏の世界を読んでみたい。2024/08/26

アキ

93
アーサー・ウェイリー訳「The Tale of Genji」を現代日本語に訳した「源氏物語 A・ウェイリー版」を読んでから、翻訳した姉妹の本を心待ちにしていた。1000年前に紫式部が書いた原文と100年前に英国で英訳されたものを現代語に訳すことを「らせん訳」と自ら名付けた。「いままで書かれた世界の作品のなかでニ指か三指に数えられる最大傑作のひとつ」とウェイリーが評した源氏物語を、姉妹は世界三十言語に訳された翻訳にも目配りしながら、ふたりとも全文を翻訳した。世界文学とは翻訳を通して豊かになる作品なのである。2024/04/18

syaori

74
百年前にウェイリーによって英訳され「「世界文学」へと押し上げられ」た『源氏物語』。そのウェイリー版を訳した姉妹による翻訳に纏わるエッセイ。『長恨歌』や『古今』など中国や日本の古典を巻き込んだ『源氏』が、「宮城野」に「ムーア」の語を当てるなど『嵐が丘』やシェイクスピアのイメージを木霊させるウェイリー版や各国語への翻訳、また与謝野や谷崎などの現代語訳が付与するイメージを巻き込みながら「読者を拡大し、豊かさを獲得してきた」ことが語られて、翻訳や”読む”という作者と訳者・読者の対話についての祝福に満ちた本でした。2025/02/18

たま

62
アーサー・ウェイリーの英訳源氏物語を姉妹で日本語に「らせん訳」した毬矢まりえさんと森山恵さんが、ウェイリーの英訳の魅力とそれを日本語に訳す工夫を語る本。読んでいてとても楽しかった。ウェイリーの翻訳は日本も日本文学の伝統も知らない英語読者のためにシェイクスピアや聖書を踏まえた凝った訳文らしく、一方もともとの源氏は漢詩や和歌の伝統を織り込んでいるわけだから、文学的連想がどんどん広がっていく。加持祈祷とエクソシスト、末摘花の廃屋のイメージなど、言われてみればなるほどと思うことがたくさん。→ 2024/07/10

アイシャ

28
『源氏物語』を初めて英訳したアーサー・ウェイリーの作品を、もどり訳ならぬらせん訳をされた、毬矢まりえさん、森山恵さん姉妹の源氏物語についての様々な話。古今東西の作品を網羅して、世界文学としての『源氏物語』を解説しているので、なかなか難しかった。でも末摘花が実は外国人の血が入っていたのではないかという指摘は面白かった。また「あはれ」の解釈を、いくつかの言語の翻訳文を挙げながらの解説しているのも興味深かった。2024/05/18

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