出版社内容情報
福島第一原発事故は私たちの中の何かを変えた。その変化に言葉を与える試みを通して、人類は未来をどのように生きられるのかを問う。
内容説明
三・一一の原発事故は、私の中の何かを変えた。私はその変化に言葉を与えたいと思っている―こう書き出される論考で、保険すら引き受けてもらえない、誰も責任をとりきれないほどの災害が「新しい性格」を持つと規定された。かつて無限と思われた科学技術の発展が有限ではないかと疑われる現代において、人はいかに生きていくのか。この主題と懸命に向き合い考察しつづけた、著者後期の代表作。
目次
序 モンスターと穴ぼこ
1 さまざまな近代二分論があった
2 有限性の近代を生きる
3 日本から世界へ
4 新しい生態系と技術革新
5 偶発的契機であろうとする意思
6 イエスということ
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948・4・1~2019・5・16。文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務、明治学院大学教授、早稲田大学教授を経て、2014年、同大学名誉教授。1985年、最初の評論集『アメリカの影』刊行。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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生きるための選択と人間観の再考: 持続可能な社会の選択ー希望やアイデンティティと密接に関連・これらがなければ人々動かず 人間の目的の再定義ー人間の窮極の目的=幸福・自由・希望 経済学は新たな視点から再調整必要 有限性と自由ー成長の限界認識→自由の実現・幸福の希求 リスクと未来へのアプローチ: リスク数値化ー未来を機会とし経済成長や技術革新追求 新たな社会ー持続可能性やエコロジーの観点→新しい近代 未来に向けた新しい価値観: 有限性受容ー有限性を前提→新しい価値観 人間観変革ー人間は人類であると同時に生命種2025/01/16
ねね
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・後半🔥若い世代のかんじ、新しい価値観?を書いてくれてるんって若い世代と触れてることが大きいんかなあ(私は私のなんかもってる、親世代からの価値観の変移を書いてくれたと感じた) ・親世代からの近代的な価値観…?への反駁の契機を見つけるために読んでるみたいなところがあった ・提出される結論?はそうだろうねというか、特に目新しいということもないと思ったけど、それに至る過程が特別らしい 私にはよくわからない 自分ってどうやって思考してるんだ ・解説ありがとう2024/06/14
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- 和書
- 余命300日の毒親