出版社内容情報
学校ではほとんどだれとも話をしない「ぼっち」の松尾音々は、あることがきっかけで、クラスの優等生・天神くんから句会の誘いを受ける。
詠みあげられる句を聞きながら、音々は「五・七・五」の影響を強く受けていたことに気づく。
この音数は、世の中にあふれていて、この世界を構成するひとつの要素になっているのかもしれない、と。
17音で感じる季節。17音に込める想い。そして、17音で描く未来--。
「言葉の力」を信じ、短くも強いコミュニケーションで、音々たちは新しい世界を切り拓いていく。
小学上級・中学から
内容説明
学校で「ぼっち」の松尾音々は、体育祭の「スローガン」決めをきっかけに、クラスの優等生の天神くんから句会の誘いを受けた。そこに参加した音々は、詠まれた俳句を聞いて、その世界が目の前に現れるような、不思議な感覚を覚える。「五・七・五」の17音を紡ぎ、吐き出すことで、音々の新しい青春が動き始める―。
著者等紹介
百舌涼一[モズリョウイチ]
1980年、山口県周南市出身。大学卒業後、広告制作会社に就職。コピーライターを生業とする。『ウンメイト』(「アメリカンレモネード」を改題、ディスカヴァー・トゥエンティワン)で第2回本のサナギ賞を受賞し、小説家デビュー。『ゼツメッシュ!ヤンキー、未来で大あばれ』(原題「ロストカゾク」、講談社青い鳥文庫)で、第3回青い鳥文庫小説賞金賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まる子
24
小さい頃の吃音。仲良くしていたお友達にからかわれたとずっと思っていたー。そんな過去を持つ音々は中学生になっても友達を作るのが苦手。そんな時に声をかけて、句会や俳句部に半ば無理やり気味に誘った至とともに、その俳句から景色が見えるような体験を通して、過去の自分とも向き合う事ができるように。はるか外国のブータンにルーツを持つ至と、高校生になり俳句甲子園全国大会で17音から自分を見つける。「奪えない この青い春 何人も」至が音々を見つけてくれた。2024/03/18
雪丸 風人
17
個性を認められることがどれだけ救いになるか、思い知りましたね。主人公は極端に内向的な中学二年生。過去にとらわれ前に進めなくなっていた彼女が、俳句を通じた出会いをきっかけにして、目の覚めるような変化を遂げてゆくストーリーです。自信の欠片もなかった少女が、人の優しさに触れ、自らの強みを知り、新しい気持ちで困難を乗り越えてゆく・・。こんなん見せられたら応援したくなりますがな。うち震えますがな。ほんで、自分もへこたれず気張らなってなりますがな。とまあ、語彙力発狂。ラストは必見です。(対象年齢は12歳半以上かな?)2024/03/09
くま美
3
最近、俳句や短歌をテーマにしたYA本が多いのは、テレビでも取り上げているし、ブームなのかな…。17音に込められた言葉の奥深さ、吃音だった過去を引きずる音々と人気者の天神至斗の恋の行方、中学生にも読みやすい。17音の俳句と17歳になって再会した音々と至。17への拘りを感じる。2024/03/31